Yahoo!ニュース

全国最激戦の兵庫は早くも大ヤマ! 5回戦で報徳と神戸国際大付がガチ勝負!

森本栄浩毎日放送アナウンサー
センバツ準Vの報徳は、早くも5回戦で最大の難敵と当たることになった(筆者撮影)

 全国屈指の激戦・兵庫は5回戦進出の16校が決まった。4回戦が二日間にわたって行われ、初日の勝者8校はすでに5回戦の抽選を終えていて、2日目の勝者8校は試合後に抽選を行った。その結果、センバツ準優勝で、今季は兵庫で負けなしの報徳学園が、実力随一の神戸国際大付と早くも当たる(21日、明石)ことになった。全国でも屈指の実力を持つ「兵庫2強」の早期激突は、兵庫大会の行方にも大きな影響を与えそうだ。

4回戦の2日目には強豪が揃う

 兵庫はシード16校を軸に、4回戦までの組み合わせを決める。試合順で二分されるため、最初の抽選の段階で、この両校の5回戦対決の可能性はあった。4回戦の初日では、最速149キロ右腕・坂井陽翔(3年)を擁する滝川二や公立の明石商東播磨が勝ち名乗りを挙げた。そして2日目の方に強豪がひしめいていて、勝者には両校のほかに、センバツ出場校で夏の兵庫連覇を狙う東洋大姫路が含まれている。

報徳はエース・盛田が復調

 4回戦も両校の試合は同時刻開始で行われた。配信で見ていたが、チームの調子は確実に上がっている。まず報徳は、春にベンチ外だったエース・盛田智矢(3年)が、三田松聖を相手に6回を無安打に抑えた。初戦では球がバラついていたが、球威そのものはあり、かなり復調している。国際戦で登板することになれば中1日となるが、大角健二監督(43)はどう判断するか。2年生の今朝丸裕喜間木歩も安定していて、先発が崩れてもすぐに救援を投入できるのが、報徳の今チームの最大の長所だ。

堀、石野の中軸が得点源

 そして報徳は、何と言っても中軸打者に当たりが出ているのは心強い。

報徳の堀は捕手として看板の投手陣をリード。春は俊足を買われて1番を打つことが多かったが、「3番の方がいい」と話し、4回戦では待望の一発も飛び出した。攻守で国際との大一番を牽引する(筆者撮影)
報徳の堀は捕手として看板の投手陣をリード。春は俊足を買われて1番を打つことが多かったが、「3番の方がいい」と話し、4回戦では待望の一発も飛び出した。攻守で国際との大一番を牽引する(筆者撮影)

 3番の堀柊那(3年=主将)が三田松聖戦で本塁打を放つなど調子を上げれば、4番の石野蓮授(3年)は、2、3回戦で2試合連続本塁打と、中軸が得点源になっている。下位にも勝負強い宮本青空(3年)がいて、伝統の粘りにも磨きがかかっている。

国際の津嘉山はあと1球の悔しさ晴らせるか

 対する国際は、エース・津嘉山憲志郎(2年)に全てを懸ける。2回戦で完封を演じたあとは登板がなく、満を持して大一番に向かう。ある程度の苦戦が予想された西脇工との4回戦では、背番号「1」の中村和史(3年)が素晴らしい投球を見せ、津嘉山を休ませられたのが大きい。

西脇工との4回戦で完封劇を演じた神戸国際大付の中村。青木尚龍監督(58)は「春以降、良くなっている」と今チームではエースナンバーを与え続けている。報徳戦まで津嘉山を温存できたのは大きい(筆者撮影)
西脇工との4回戦で完封劇を演じた神戸国際大付の中村。青木尚龍監督(58)は「春以降、良くなっている」と今チームではエースナンバーを与え続けている。報徳戦まで津嘉山を温存できたのは大きい(筆者撮影)

 秋は津嘉山が登板せずに敗れ、春の直接対決では、津嘉山が完投勝利目前で追いつかれて、降板後の延長タイブレークで報徳に連敗した。ツーストライクと追い込みながらあと1球で勝利を逃した反省から、精神面でも大きく成長した姿を見せたい。

早期対決はエース万全の国際の方が歓迎?

 国際は4番の加門隼人(3年)ら力のある打者もいるが、追加点が取れず、投手に負担をかけることが多い。それだけ先発投手が安定していると言えばそれまでだが、中盤以降、あっさりと攻撃を終える回が目立つのは気になる。試合の焦点は、津嘉山がいかに報徳打線を抑えるかで、国際は、初回の立ち上がりや交代機を攻めたいが、報徳投手陣から4点以上取るのは難しいだろう。ただ、津嘉山はリードをもらうと視野を広く投げられるので、序盤に得点できれば国際のペースとなる。万全な状態でエースを送り出せる国際の方が、この早期対決を歓迎しているかもしれない。

逃げ切りたい国際、終盤勝負に持ち込みたい報徳

 津嘉山頼みの国際に対し、大角監督が誰を先発させるか迷うくらい、報徳にはいい投手が揃っている。今大会、両校とも過去3試合、全てで初回に得点していて、それだけでもチームがいかに強いかを物語るが、この対決における先制点は極めて重い。特に国際は典型的な先行逃げ切り型のチームで、終盤まで競り合う展開は避けたい。逆に報徳は序盤にスキを見せず、6回までを互角で終えられれば、得意の終盤勝負に持ち込める。10回からのタイブレークも考え合わせれば、「後攻」のチームに若干のアドバンテージがあることも付け加えておきたい。

この「つぶし合い」で他校にチャンスが広がる

 今季の兵庫で、この2校が実力双璧であることは間違いない。しかし、勝者がすんなり甲子園にたどり着けるかと言うと、現実はそれほど甘くない。この「つぶし合い」で、他校にも甲子園出場のチャンスが広がったと言っていい。昨年、報徳は同じ5回戦で明石商に敗れた。兵庫は上位校の力が接近し、5回戦や準々決勝で屈指の実力校同士が当たって、大会そのものの様相が変わったことも少なくない。準々決勝以降は、春の県大会で決勝に進んだ報徳と滝川二が決勝まで当たらないこと以外に、抽選での制約はない。最大のヤマを越えても、強いチームがゴロゴロいる。今年の兵庫はそれほどまでに過酷なのだ。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

森本栄浩の最近の記事