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大阪桐蔭、智弁和歌山、平安、報徳がセンバツ確実! 来春の近畿勢は「超豪華」に!

森本栄浩毎日放送アナウンサー
大阪桐蔭は近畿4強入りでセンバツ選出確実に。連覇へ向けさらに加速する(筆者撮影)

 ハイレベル近畿大会の4強が決まった。近畿大会二週目は1回戦の残り2試合と準々決勝が行われた。近畿のセンバツ選出枠は「6」なので、4強入りすればセンバツ出場は確実だ。勝ち進んだのは、今春センバツの覇者・大阪桐蔭(タイトル写真)を始め、龍谷大平安(京都)、報徳学園(兵庫)、智弁和歌山という春夏の甲子園でいずれも優勝を経験している名門ばかり。来春の近畿勢は実に豪華なラインナップになりそうだ。まずはこの豪華な4強のすさまじいまでの甲子園キャリアをご紹介しよう。

 龍谷大平安=103勝(歴代2位) 優勝4回(春1、夏3)

 大阪桐蔭=72勝(同9位) 優勝9回(春4、夏5)

 智弁和歌山=70勝(同10位) 優勝4回(春1、夏3)

 報徳学園=60勝(同16位) 優勝3回(春2、夏1)

大阪桐蔭と智弁和歌山の勝利はすべて平成以降

 この4校だけで優勝20回、合計305勝というビッグな数字になる。また大阪桐蔭は初出場初勝利が平成3(1991)年の春。智弁和歌山の甲子園初勝利が平成5(1993)年の夏なので、勝ち星も優勝もすべて平成以降ということになる。しかし試合をしているのは高校生なので、名前だけで勝てるほど甲子園は甘くない。4校の今チームを近畿大会の戦いぶりから紹介したい。

平安は課題の投手が奮起

 京都大会で苦戦が続き、3位で辛くも出場を決めた龍谷大平安は、初戦で海南(和歌山)に猛打を浴びせ、17-0(5回コールド)で圧勝すると、高田商(奈良)にも序盤から主導権を握る危なげない試合運びで5-0と寄せ付けず、4年ぶりのセンバツ出場を確実にした。

平安のエース・桒江は167センチの技巧派。今春からコーチ陣に加わった川口知哉コーチ(43)の丁寧な指導を受け、一気に開花した(筆者撮影)
平安のエース・桒江は167センチの技巧派。今春からコーチ陣に加わった川口知哉コーチ(43)の丁寧な指導を受け、一気に開花した(筆者撮影)

 立役者はエースの桒江(くわえ)駿成(2年)。府大会では京都国際に打ち込まれるなど不本意な投球に終始したが、近畿大会の大舞台で2試合連続完封という離れ業をやってのけた。球威はそれほどでもないが、変化球とのコンビネーションで低めを丁寧に突き、バックも堅守で支えた。攻撃陣はつなぐ意識が強く、連打で相手にプレッシャーをかける。ベテランの原田英彦監督(62)は、「(日常生活も含め)ルールを守ろうと言ってきた。皆が一つになってきた感じがする」とチームの劇的変化に手応えを感じている。

前田健在の大阪桐蔭は異色の新戦力

 大阪桐蔭は、難敵の神戸国際大付(兵庫)を初回の満塁弾から6-3で退けると、甲子園初出場を狙う彦根総合(滋賀)には序盤、主導権を握られかけたが、4回に5得点のビッグイニングで逆転すると、初回に押し出し四球を連発したエース・前田悠伍(2年=主将)も立ち直り、中盤以降は貫禄の試合運びを見せた。9-4で快勝したあと、西谷浩一監督(53)は「前田の押し出しなんて見たことない。自分で考えながら修正できた」と、7安打4失点にまとめた大黒柱を頼もしそうに見つめた。

両親がスリランカ人というラマルは長打力が魅力。4年前の春夏連覇を見て大阪桐蔭に憧れたそうで、「自分が打って投手を助けたい」と頼もしい。ちなみに日本語しか話せないそうだ(筆者撮影)
両親がスリランカ人というラマルは長打力が魅力。4年前の春夏連覇を見て大阪桐蔭に憧れたそうで、「自分が打って投手を助けたい」と頼もしい。ちなみに日本語しか話せないそうだ(筆者撮影)

 さらに西谷監督が、この日初めて4番に起用したラマル・ギービン・ラタナヤケ(1年)が先制打を含む3安打と活躍し、「状態が良かったので使ったが、試合に出ることで変わると思う」と新戦力の台頭に満足そうだった。課題は西谷監督が「前田に次ぐ投手。数はいるが…」という投手陣の底上げで、前田とは技術、経験値とも大きな開きがある。準決勝以降に注目したい。野手は前チームから総入れ替えとなったが遜色なく、1年生が中軸に座るなど勢いもある。

報徳は伝統の守備力で流れ渡さず

 報徳学園は履正社(大阪)との接戦を9-6で制した。初戦の箕面学園(大阪)に6回無安打投球を見せたエース・盛田智矢(2年)は足がつるアクシデントで降板し、7回から救援した間木(まき)歩(1年)が、履正社の猛追を振り切った。

報徳のエース・盛田は1回戦で6回を無安打の快投。履正社には足がつりながらも奮闘し、味方の好守で逆転を許さなかった。緩いカーブをうまく使う(筆者撮影)
報徳のエース・盛田は1回戦で6回を無安打の快投。履正社には足がつりながらも奮闘し、味方の好守で逆転を許さなかった。緩いカーブをうまく使う(筆者撮影)

 伝統の堅守は健在で、大角健二監督(42)は「竹内の守りで相手に流れを渡さなかった」と、要所で美技を見せた遊撃手の竹内颯平(2年)を絶賛した。外野手も打球への反応が良く、球際に強い。前チームから正捕手の堀柊那(2年=主将)が攻守に躍動し、「(投手の)ワンバウンドも逸らさない」と大角監督が全幅の信頼を寄せれば、石野蓮授(2年)も近畿大会2試合連続本塁打で、4番の本領を発揮した。大角監督は「(前チームの)3年生はメンタルが強く、それを見てきたので試合でもメンタルの強さが出ている」と充実した戦いぶりに声を弾ませた。

智弁和歌山は伝統の長打力に勝ちパターン継投

 智弁和歌山は京都国際との1回戦を、エース左腕・吉川泰地(2年)と速球派右腕・清水風太(2年)の継投で、8-4と振り切った。初回に吉川がつかまったが、すかさず主砲・青山達史(2年=主将)の2ランで反撃すると、5回には4番・中塚遥翔(2年)の逆転2ランで豪快にひっくり返した。

前チームから主軸だった青山は、京都国際戦で初回に2ランを放つ。青山の高校通算29号が呼び水となって自慢の打線が活気づいた。「星稜(石川)との死闘を見て憧れた」という川崎市出身の主将だ(筆者撮影)
前チームから主軸だった青山は、京都国際戦で初回に2ランを放つ。青山の高校通算29号が呼び水となって自慢の打線が活気づいた。「星稜(石川)との死闘を見て憧れた」という川崎市出身の主将だ(筆者撮影)

 準々決勝でも(兵庫)に、中塚と5番・濱口凌輔(2年)が本塁打を浴びせるなど、伝統の長打力は以前にも増して力強い。守っても3投手の継投で7-0の7回コールドで完勝した。中谷仁監督(43)は苦戦が予想された京都国際に快勝して、「嫌なスタートになったが青山が『いくぞ』の狼煙を上げてくれた。清水が試合を落ち着かせてくれた」と投打のヒーローを称えた。全国優勝したチームや大阪桐蔭を破った前チームと比べると、投手陣にやや不安があると思われたが、清水が抜群の安定感で、勝ちパターンの継投が確立されている。

分が悪い高田商と社が逆転するとすれば?

 これら4校のセンバツ出場は堅いが、残る2枠の行方はどうか。公立が2校勝ち残ったが、いずれも準々決勝は無得点の完敗で分が悪い。大阪桐蔭を慌てさせ、中盤まで互角に戦った彦根総合と、投打に戦力が充実している履正社が有利な状況であることは間違いない。彦根総合は県1位でもあり、甲子園未経験もプラス材料になる。高田商と社の公立2校が浮上するとすれば、予選1位校を倒した初戦の戦いぶりを評価された場合か。高田商は乙訓(京都)に1-0のサヨナラ勝ち。しかし平安に完封され、2試合で計1得点は残念だった。社は天理(奈良)に14安打13得点で打ち勝つたくましさを見せたが、翌日は打線が沈黙した。連戦で投手の疲れは考慮されるかもしれないが、打線にもう一工夫、欲しかった。

「神宮枠」を持ち帰れるか

 準決勝は平安と大阪桐蔭報徳と智弁和歌山の好カードになった。最終結果が選考に反映される可能性もあるが、近畿は準々決勝突破でセンバツ安全圏となるため、準決勝以降は「お試し」の選手起用もあって試合内容や緊張感がガクンと落ちる。優勝校が、昨年の大阪桐蔭のように「神宮枠」を持ち帰ってくれば、高田商と社にもチャンスが出てくる。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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