全国屈指の激戦、近畿は準々決勝が終わり、センバツ出場校がおぼろげながら見えてきた。4強進出校は確実として、残る2枠はかなり難航しそうだ。

天理は市和歌山の好投手攻略

 準々決勝は、天理(奈良3位)が、市和歌山(和歌山1位)の好投手・米田天翼(2年)を攻略。戸井零士(2年=主将)の本塁打など10安打を浴びせ、5-1で快勝した。188センチのエース・南澤佑音(2年)は、滋賀学園(滋賀2位)戦(延長10回)に続き、2試合連続完投で、県大会の不調から一気に立ち直った。天理は4強一番乗りで、3年連続センバツへ大きく前進。狙うは10度目の秋近畿の王座だ。

1年左腕台頭で安定感出た大阪桐蔭

 大阪桐蔭(大阪1位)は、東洋大姫路(兵庫3位)を投打に圧倒(タイトル写真)。5-0で完勝し、これまた3年連続のセンバツが濃厚になった。1年生左腕の前田悠伍が投手陣の柱として台頭し、これに先輩投手陣が刺激を受けて、試合運びが安定した。打線も、6番・田井志門(2年)の先制2ランなどで、東洋大姫路の好投手・森健人(2年)から11安打5得点。優勝候補と期待されながら、春夏甲子園でわずか1勝に終わった3年生たちの悔しさを晴らす。

金光大阪は6点差を逆転

 府大会で大阪桐蔭に完敗した金光大阪(大阪2位)は、近江(滋賀3位)に最大6点差をつけられたが、エース・古川温生(2年)が中盤以降立ち直り、終盤に大逆転。7-6で今夏甲子園4強の強豪を倒した。これで13年ぶりのセンバツを大きく手繰り寄せたことは間違いない。古川は高田商(奈良2位)との初戦は5安打完封を演じていて、捕手の岸本紘一(2年=主将)とともに、バッテリーで中軸を打つ。下級生がスタメンに5人という勢いのあるチームだ。

2日で歴史塗り変えた和歌山東

 そして、和歌山東(和歌山2位)は、今夏甲子園4強で、今大会の優勝候補だった京都国際(京都1位)を3-2で破った。両校は昨秋の1回戦でも当たっていて、このときは京都国際が逆転勝ち。今年も和歌山東が先制し、エース・麻田一誠(2年)が、好救援でリードを守り切って雪辱した。前日は八幡商(滋賀1位)に3-1で快勝し、近畿大会初勝利。そして一気に4強入りで、わずか2日で歴史を大きく塗り変えた。春夏通じて初の甲子園が待っている。

地域性と試合内容で当落

 近畿のセンバツ枠は「6」で、近年は準々決勝敗退校の中から選ばれることが大半。したがって、候補は、市和歌山、東洋大姫路、近江、京都国際となる。当落のポイントは大きく二つで、地域性と試合内容である。まず、地域性で言えば、市和歌山が一番不利になる。県大会で破った和歌山東が、『格上』の近畿大会で上位になってしまったからだ。あとの3校は、同条件になる。全く同じ状況が、今春の京都勢の選考であった。昨秋、1位の龍谷大平安と3位の京都国際はともに初戦を突破。平安が準々決勝で敗れ、京都国際は4強に進み、平安が選ばれなかった。両校は京都大会で当たっていて、平安が勝っていた。

監督の花道飾らせたい東洋大姫路

 試合内容で言えば、2試合で投手陣が計17失点と崩れた近江が最も劣る。あとの3校は、いずれも好投手を擁していて、甲乙つけがたい。東洋大姫路は、低調な打線を森の力投で補う典型的な守りのチームで、藤田明彦監督(64)の来春での退任が発表された。恩師の花道を甲子園で飾らせようと、選手たちが奮起したことは間違いない。

山田がマウンド上がれず近江は苦戦

 京都国際は、夏の甲子園で好投した森下瑠大(2年)、平野順大(2年)の左右両輪が健在で、和歌山東戦でアーチを描いた森下の強打も魅力だ。その意味では、今夏、投打に大車輪の活躍を見せた山田陽翔(2年=主将)がマウンドに上がれなかった近江は、ベストのチーム状態ではなかった。今夏甲子園4強組は明暗が分かれるのか?

近畿は8強で敗退すれば落とされても仕方ない

 近畿は4強入りすればセンバツへ視界が開ける。しかし8強で負けてしまえば落とされても仕方がない。神宮大会も開催されそうで、近畿の代表は優勝候補に挙がるだろう。当落線上のチームも、希望を捨てずに精進すれば、最終的には夏の甲子園につながることは、多くのチームが証明している。