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夏も初出場で「ミラクル新田」再現か!  夏の甲子園開幕

森本栄浩毎日放送アナウンサー
夏の甲子園が開幕。好守備で流れを呼び込んだチームが接戦をモノにした(筆者撮影)

 台風の影響で1日遅れの開幕となった夏の甲子園。一般のファンは入場できず、寂しいスタンドだったが、グラウンド上の熱戦はいつもと全く同じ。テレビなどのメディアで観戦されたファンも、2年ぶりの夏の甲子園に満足されたのではないだろうか。

追いつかれた新田が超美技で逆転許さず

 第2試合は静岡の192センチ右腕・高須大雅(3年)を序盤からよく攻めた新田(愛媛)が優勢に試合を運び、2-0で終盤に入った。7回裏、静岡は相手失策で1点差に詰め寄り、さらに適時打で同点に追いつく。なおも1死1塁で、続く9番・山岸廉尊(2年)は左中間へ会心の当たり。長打は間違いないかと思われた。ここで新田の中堅手・長谷川聖天(せいや=3年)が、懸命に背走しながらグラブをいっぱいに伸ばす。最後は倒れ込みながらつかむと、すぐさま立ち上がって、遊撃手へ返球。二塁を大きく回っていた走者を一塁で刺して併殺を完成させた。抜けていれば勝ち越しを許し、さらに得点圏走者という場面を、超美技と完璧な中継プレーで切り抜けた。

31年前センバツのミラクル再現なるか

 直後の8回表。新田は長谷川の安打などで好機を広げると、2番・入山雄太(3年)が鮮やかな初球攻撃で一塁線を破って2点を勝ち越した。美技で相手に傾いた流れを断ち切り、直後に得点する。野球の流れを絵に描いたようなシーンだった。新田は夏は初出場だが、同じ初出場だった平成2(1990)年のセンバツでは2試合をサヨナラ本塁打で勝ち、準優勝「ミラクル新田」と呼ばれた。この日の美技は、何得点にも勝る。強敵の静岡を4-2で破って、31年前の「ミラクル」再現へ、新田が初出場の夏も大暴れしそうだ。

日本航空も堅守から流れつかむ

 第3試合も美技で流れが変わった。5回を終わって両校ゼロ行進。押し気味だった東明館(佐賀)は、6回表の2死1、2塁で、7番・成澤空舞(そうま=2年)が二遊間を抜く。ここで日本航空(山梨)のエドポロ・ケイン(3年)が、中堅からドンピシャの返球で生還を阻止。流れを渡さなかった直後に、航空が先制した。東明館の2年生エース・今村珀孔(はく=2年)にうまくかわされていたが、6回裏の好機で重盗が成功して先制すると、終盤で一気に突き放し、4-0で快勝した。

日大山形は滝口が147キロで好救援

 開幕戦は、8回を終わって4-0と日大山形が勝利目前だった。しかし9回表、米子東(鳥取)が猛反撃を見せる。日大山形エースの斎藤堅史(かたし=3年)に襲いかかり、4連打で1点を返してなおも無死満塁。たまらず日大山形の荒木準也監督(49)は滝口琉偉(るい=3年)をマウンドに送った。「最初の打者が三振だったのが大きかった」と指揮官が言うように、滝口は、押し出し死球を怖がらず、打者の内角を強気に攻めて三振を奪う。滝口は、最速147キロの速球を武器に、米子東の上位打線を3者三振で抑え、4-1で逃げ切った。浦和学院(埼玉)との2回戦も、鮮やかな継投が決まるか。

初日は内容互角の好試合続く

 初日の3試合は、いずれも内容的には互角で、要所で流れをつかんだかどうかが勝敗を分けた。開幕戦も、安打数で上回った米子東に、序盤の好機で1本出ていたら、展開は大きく変わっていただろう。スタンドは学校関係者の入場に限られるが、日本航空の応援は実に統制がとれていて、選手にとって大きな励みになったように感じた。2日目には優勝候補、強豪が相次いで登場する。ますますの熱戦を期待したい。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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