センバツ出場校決定! 連合チーム初の甲子園ならず!  選考過程を徹底検証

センバツ出場校が決まった。1年の空白を経て、甲子園に球児が戻ってくる(筆者撮影)

 第93回センバツ高校野球大会(3月19日開幕)の出場32校が決まった。選考会は初めてリモートで行われ、報道陣もシャットアウト。ほぼ無人の毎日新聞オーバルホールに、校名ボードが次々と掛けられていった。難航が予想された地区や抱き合わせ枠のある地区もほぼ予想通りで、2年連続順当な選出と言える。まず、難航が予想された地区から振り返ってみたい。(選手の学年は4月からの新学年)

実力評価され天理が滑り込む

 近畿は優勝の智弁学園(奈良)、準優勝の大阪桐蔭に続き、好投手・小園健太(3年)擁する市和歌山が3番目で選出。さらに春夏通じて初の甲子園となる京都国際が選ばれた。残る2校は、準々決勝敗退の4校に、初戦敗退ながら優勝した智弁を延長まで追い詰めた滋賀学園を含めた5校に絞って検討。その中から、神戸国際大付(兵庫)が5番手で浮上した。エース・阪上翔也(3年)を中心に守りから崩れることがなく、一丸となった集中力のある戦いぶりが評価された。そして最後の1枠には、準々決勝で大阪桐蔭にコールド負けの天理(奈良)が滑り込んだ。エース・達孝太(3年)の力強い投球と切れ目のない打線の総合力を高く評価。奈良大会で智弁を破っていることも好材料になったようだ。補欠には8強止まりの智弁和歌山と龍谷大平安(京都)で、結果的には選出順も含め、予想通りだった。

総合力で東海大相模が日大三を抑える

 関東は、2年連続関東優勝の健大高崎(群馬)に続き、常総学院(茨城)、東海大甲府(山梨)、専大松戸(千葉)の順で、4強が揃い踏み。専大松戸はセンバツ初出場である。そして東京との比較になる5番手には甲府に逆転サヨナラ負けした東海大相模が入った。一方の東京は、優勝の東海大菅生が文句なく選ばれ、2番手には準優勝の日大三が。その結果、相模と日大三の最終枠争いになった。決め手は、好左腕・石田隼都(3年)の投球と相手のスキをつく攻撃力で、東海大相模の方が総合力で上回るとされた。日大三は東京大会で好投手を打てず、打線低調が響いた。なお、補欠は関東が国学院栃木と鎌倉学園(神奈川)。東京は日大三と二松学舎大付となった。

球数制限も考慮し柴田が初の聖地へ

 宮城勢の決勝となった東北大会は、群を抜く強さを見せた仙台育英がトップで選ばれ、2番手は準優勝の柴田となった。柴田は春夏通じて初めての大舞台となる。決勝が18-1の大差となったことも念頭に置いての議論にはなったが、予選1位を3校破った実績を高く評価。柴田のエース・谷木亮太(3年)が決勝までの4試合をほぼ完投。「1週間で500球以内」という球数制限に抵触しそうになったため、決勝での先発回避が大敗につながったとした。試合内容だけなら、4強止まりの花巻東(岩手)の逆転も考えられたが、球数制限は3年間の試用期間中でもあり、今後、見直される可能性もある。一人のエースに頼らざるを得ない多くの公立校が、ルールによって甲子園への道を断たれないためにも、日程面での不公平がないような配慮、工夫が求められる。これは大人に突き付けられた大きな課題だ。東北の補欠は花巻東と日大山形。

打力を評価されて鳥取城北

 中国は優勝の広島新庄と準優勝の下関国際(山口)で一般枠は順当。四国勢との比較になる3番手は鳥取勢の争いになり、鳥取城北が米子東を抑えた。四国は、盤石の強さをみせた明徳義塾(高知)が2年連続。さらに聖カタリナ学園(愛媛)が、創部5年目で嬉しい初の甲子園を射止めた。3番手には、カタリナと準決勝で延長12回を戦った同じ愛媛の小松が入った。中国・四国の「抱き合わせ枠」は、城北と小松の比較になり、勝負強い打撃で広島新庄と好勝負を演じた鳥取城北が、小松を抑えた。なお、中国の補欠は米子東と桜ケ丘(山口)。四国は小松と鳴門(徳島)になった。

富山の連合チームは決選投票で涙

 4校が選ばれる21世紀枠は、まず東日本5校、西日本4校からそれぞれ1校を選び、残る7校を、地域を限定せずに協議し2校を選ぶやり方。東の1番手には八戸西(青森)。監督が教諭を務める特別支援学校との交流で選手たちが人間的にも成長。東北大会での勝利も加味された。西の1番手は、東播磨(兵庫)。コロナ禍で部活動が制限される中、情報ツールを活用した新しい指導スタイルで夏から好成績を収め、放送部や演劇部などの文化部にも好影響を与えた。3番目に選ばれたのは具志川商(沖縄)で、西では東播磨に次ぐ評価だった。しばらく部員不足などで低迷していたが、OBや地域の支援で活気を取り戻し、初の九州大会出場(8強)までこぎつけた頑張りが好感を持たれた。残り1校は激論となり、14人の委員による決選投票に。その結果、三島南(静岡)が富山北部・水橋を抑えた。三島南は、野球離れを食い止めようと、地元の園児、小学生相手に子ども野球体験教室を行うなど、「高校野球200年構想」を先取りした取り組みが高評価を得た。21世紀枠4校は、いずれも春夏通じて初の甲子園。次点の富山北部・水橋と、知内(北海道)が補欠に回った。

北海道、東海、北信越、九州は予想通りに

 北海道は優勝した北海が10年ぶりの春で、決勝で北海に0-1と惜敗した旭川実と、21世紀枠候補の知内は双方で補欠に。東海は中京大中京(愛知)と県岐阜商の2校が2年連続の出場。補欠順は三重と岐阜一。北信越は優勝の敦賀気比(福井)と準優勝の上田西(長野)で順当な決着。上田西はセンバツ初出場となる。星稜(石川)が補欠1位で、気比に準決勝で惜敗した関根学園(新潟)が補欠2位。九州は順当に秋の4強で決まった。離島勢として活躍が期待される大崎(長崎)を筆頭に、福岡大大濠明豊(大分)、宮崎商の名が呼び上げられた。大崎は春夏通じて初の甲子園で、明豊は3年連続。宮崎商はセンバツに限ると52年ぶりとなる。九州の補欠は、神村学園(鹿児島)と延岡学園(宮崎)になった。

連合チームの夢は未来に

 難航が予想された地区はいくつかあったが、すべて可能性が最も高いと思われたチームが選ばれた。昨年に続き、無風に近い。唯一、21世紀枠で話題をさらった富山の連合チームについては、少子化の影響で部員不足に悩むチームの希望になるかと思われたが、惜しくも次点に泣いた。近年の選考では、投手レベルの高いチームや地区大会で一定の試合を見せたチームが選ばれる傾向が強くなっている。北信越大会まで進んだ同チームにもチャンスがあるかと思われたが、次に登場する連合チームに甲子園の夢を託したい。そして最後に、これはあってはならないことだが、コロナ禍でもあり、補欠校もチャンスがないわけではない。センバツで戦うつもりで練習に取り組んでほしいし、それが夏の甲子園にもつながると信じている。