首都圏を対象に2度目の緊急事態宣言が出されてから3週間が経過しました。その間、対象地域は11都府県に増え、2月7日までとされた期間が延長される可能性も取り沙汰されています。このような時、ストレスに負けないためにどんなものを食べるべきかについて3回に分けてお伝えしてます。今回は、第3回目です。

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コロナ禍の期間が長くなり、多くの人がストレスにさらされた状態が続いています。

そんな時は、ついつい甘いものが食べたくなったり、お酒の量が増えてしまったりしがちです。一方で外に出歩く機会が減っている人は、体重増加も気になり始め糖質オフダイエットを始めようかと考えている人もいらっしゃるかもしれません。

でも、そんな時ほど3度の食事の時にきちんと適量の炭水化物をとっていただきたいと思います。

えっ!炭水化物ですか。。。太りますよね?と思う方も多いかもしれません。ですが、ヒトには適度な量の炭水化物が必要です。その理由を解説します。

写真:アフロ

■ヒトのメインエネルギー

炭水化物には、糖質と食物繊維が含まれています。このうちの糖質についてみてみましょう。

ヒトが生きていく上で必要なエネルギーは、細胞のミトコンドリアの中のエネルギー代謝の回路によって生み出されています。そのメインとなる回路は、TCA回路と呼ばれるもので糖のエネルギー代謝が行なわれています。

脂質をとった場合もミトコンドリア内では、最終的にTCA回路を使うことでエネルギーとして使われます。つまり、脂質をエネルギーをとして使う場合も糖が必要になるのです。また、たんぱく質もエネルギー源として利用できますが、エネルギーとして利用するためには、体内でアミノ酸から糖を作り出してエネルギーとして利用しています。

つまり、ヒトがエネルギーを得るためには、どうしても糖が必要なのです。

写真:アフロ

■食物繊維を摂取できる

人の精神を安定させる脳内伝達物質のひとつにセロトニンがありますが、このセロトニンは腸と脳の両方で作られます。腸内環境を整えることは、セロトニンが作られやすい環境を作ることになります。このため、腸内環境を整える食物繊維の摂取は、心の安定にもつながっていると言えます。

セロトニンは、アミノ酸の一種であるトリプトファンから作られますが、トリプトファンが脳内に吸収されるのは、インスリンが分泌されている時(糖質をとった時)です。

つまり、食物繊維と糖質を含んでいる炭水化物をとることで、腸と脳の両方でセロトニンの合成を助けることになります。

でも、食物繊維は炭水化物ではなく、野菜からとるものなんじゃないの?と思われた方も多いかもしれません。

実は、日本人は、食物繊維摂取量のうち約36%を穀類からとっています(令和元年国民健康・栄養調査)。野菜類からとっているのは、約28%です。いも類、きのこ類、藻類の合計は約14%、つまり、日々の主食(炭水化物)をきちんととることで食物繊維を摂取することができます。

令和元年国民健康・栄養調査データより筆者が作成
令和元年国民健康・栄養調査データより筆者が作成

■どれくらい食べれいいの?

では、炭水化物はどれくらい食べればいいのでしょうか。

例として1700kcal(成人女性で座っていることが多い場合)をとる場合で見てみます。日本人の食事摂取基準2020では、エネルギー摂取量の50~65%を炭水化物からとることが推奨されています。野菜やいも類、砂糖などの調味料からとることも考えて、ここでは50%を主食から3食で均等にとると仮定すると、1回の食事で主食からとるエネルギー量は、約280kcalになります。これは、ごはん(白米)茶碗1杯程度(約170g)、パスタ(乾)約70g、食パン1枚半程度(110g)になります。これは、間食をまったくしない前提ですから、お菓子などを食べる場合はもっと少なくなります。

また、食物繊維をとるためには、食物繊維含有量の多い穀物をとることも大切です。雑穀やそば、パスタなどの小麦製品などを取り入れるとよいでしょう。

ストレスが増えて疲れがちな時、食事で適量の主食をとることで、体に必要なエネルギーを補給して、元気に毎日を過ごしたいものですね。