Yahoo!ニュース

藤井聡太棋王に挑戦するのは広瀬章人九段か? 伊藤匠七段か? 12月21日、挑決二番勝負第1局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 12月21日。東京・将棋会館において第49期棋王戦コナミグループ杯・挑戦者決定二番勝負第1局、広瀬章人九段(36歳)-伊藤匠七段(21歳)戦がおこなわれます。

 棋王戦はベスト4以上からは2敗失格のシステム。勝者組から勝ち上がった広瀬九段はあと1勝、敗者復活組の伊藤七段は2連勝で藤井聡太棋王(21歳、八冠)への挑戦権を獲得できます。

 広瀬九段は昨年、伊藤七段は今年の竜王戦七番勝負で藤井竜王に挑戦しています。

 広瀬九段と伊藤七段は過去に2回対戦し、互いに1勝ずつをあげています。

 今年度竜王戦本戦では、広瀬八段は1組5位、伊藤七段は5組優勝の立場で対戦(段位はいずれも当時)。広瀬八段先手で相掛かりに進み、70手という短手数で伊藤六段が勝っています。

 伊藤六段は5組優勝者としては竜王戦史上初めて挑戦権を獲得。規定により七段に昇段しました。

 今期棋王戦準決勝では、広瀬八段先手で矢倉模様に。序盤から乱戦となり、形勢ほぼ互角の中終盤が続きました。最後は広瀬八段が押し切って101手で勝利をあげています。

 広瀬八段は昇段後250勝目をあげ、規定により九段に昇段しています。

 今年度成績(12月11日時点)は、広瀬九段は11勝14敗(勝率0.440)です。

 伊藤七段は36勝11敗(勝率0.766、14連勝達成)。全棋士中、対局数・勝数で1位、連勝で2位の好成績をあげています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

松本博文の最近の記事