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【史上最年少名人ロード】勝てばプレーオフ以上確定の藤井聡太竜王 A級ラス前、永瀬拓矢王座戦始まる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月1日。第81期順位戦A級8回戦一斉対局が始まりました。対戦カードは以下の通りです。(▲=先手、△=後手)

【東京・将棋会館】

△菅井 竜也八段(5勝2敗)-▲佐藤 天彦九段(2勝5敗)

【愛知・名古屋将棋対局場】

△藤井 聡太竜王(6勝1敗)-▲永瀬 拓矢王座(4勝3敗)

△豊島 将之九段(4勝3敗)-▲佐藤 康光九段(0勝7敗)

【大阪・関西将棋会館】

△斎藤慎太郎八段(5勝2敗)-▲広瀬 章人八段(5勝2敗)

▲稲葉  陽八段(4勝3敗)-△糸谷 哲郎八段(1勝6敗)

 トップを走る藤井竜王は、まだ追いつく可能性を残す永瀬王座と対戦。今期A級で唯一のタイトルホルダー対決となります。

 藤井竜王は勝つとプレーオフ以上が確定。一方、永瀬王座が勝つと、名人挑戦権争いは大混戦となる可能性もあります。

 対局がおこなわれるのは今年度に新設された、名古屋将棋対局場。朝、先に入室した永瀬王座が、どちらが自分の着く席なのか、迷うシーンが見られました。

 藤井竜王先手で、戦型は角換わり腰掛銀に。35手目、永瀬王座が3筋の歩を突っかけて駒がぶつかりました。前例からはずれ、ここからは一気に激しい戦いに入るかもしれません。

 藤井竜王の今年度成績は41勝8敗(勝率0.837)です。

 王将戦七番勝負第2局で羽生善治九段に敗れ、連勝は10で止まり、勝率も史上最高ペースからは少し遠ざかりました。しかし依然、おそるべき好成績であることに変わりはありません。このあとは棋王戦五番勝負も始まります。王将防衛で五冠堅持、棋王獲得で六冠、名人挑戦・獲得で七冠・・・となるのでしょうか。

 永瀬王座の今年度成績は30勝15敗(勝率0.667)です。1月30日に放映されたNHK杯3回戦では佐藤康光九段に勝ち、ベスト8進出を決めています。

 藤井竜王と永瀬王座はNHK杯で勝ち進めば、決勝で当たることになります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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