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挑戦者決定戦に進むのは羽生善治九段か? 佐藤天彦九段か? 11月17日「将棋の日」棋王戦勝者組決勝!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月17日。東京・将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯・本戦トーナメント勝者組決勝、羽生善治九段(52歳)-佐藤天彦九段(34歳)戦がおこなわれます。

 本局の勝者は挑戦者決定戦二番勝負に進出。勝者組を勝ち上がった側にはアドバンテージがあり、挑決では2局のうち1局を勝てば、渡辺明棋王への挑戦権を獲得します。

 敗れると敗者復活戦に回り、挑決までに1勝、挑決では2連勝が必要となります。

 羽生九段は今期トーナメントにおいて、千葉幸生七段、佐藤康光九段、広瀬章人八段、伊藤匠五段に勝っています。

 一方の佐藤天彦九段は高野智史六段、郷田真隆九段、糸谷哲郎八段、藤井聡太竜王に勝っています。

 羽生九段と佐藤九段の過去の対戦成績は羽生10勝、佐藤14勝です。

 羽生九段はほとんどの棋士に勝ち越しています。羽生九段が2番以上負け越している棋士は5人しかおらず、佐藤九段もそのうちの1人です。

 羽生九段の今年度成績は19勝8敗(勝率0.704)です。

 羽生九段は現在、王将戦リーグで5連勝。挑戦権まであと一歩というところにまで迫っています。

 しかし挑戦権を獲得するためには、豊島将之九段という強敵に勝たなければいけません。

 佐藤九段の今年度成績は12勝9敗(勝率0.571)です。

 江戸時代、旧暦11月17日。高い技量を持つ将棋指しが江戸城で対局を披露する「御城将棋」がおこなわれていました。その故事にちなんで、日本将棋連盟は11月17日を「将棋の日」に制定しています。将棋界にとって記念すべき一日。今年はどのような対局がおこなわれるでしょうか。

 なお本局と同じ11月17日におこなわれる予定だった敗者復活戦・藤井竜王-伊藤五段戦は、伊藤五段の新型コロナウイルス感染により、延期となりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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