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藤井聡太竜王(20)銀河戦決勝トーナメント進出 ブロック最終戦で高見泰地七段(29)に勝利

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月1日。第30期銀河戦・本戦Hブロック最終戦▲高見泰地七段(29歳)-△藤井聡太竜王(20歳)戦が放映されました(対局日=7月29日)。棋譜は公式ページにもアップされています。

 高見七段先手で戦型は相掛かり。藤井竜王が足早に攻めの銀を前進させるのに対して、高見七段がうまく受け止め、序盤は互角のまま進みました。

 中盤、藤井竜王は相手陣に角を打ち込んで駒得の戦果をあげます。高見七段の反撃にも冷静に対応し、藤井竜王が優位を築きました。

 92手目、藤井竜王は金取りに桂を打ちます。いつしか藤井竜王側には4枚の桂が配され、それらがうまく働いていました。

 終盤の逆転力には定評のある高見七段。最後は手段を尽くして藤井玉を追います。持ち時間が短い設定の早指し棋戦であり、少しでも受け間違えればたちまち勝敗がひっくり返る場面でした。

 しかし藤井竜王は正確に応対。高見七段の追及を振り切って、詰まないように逃げ続けます。

 藤井玉が詰まないことが視聴者の目にもはっきりしたところで、高見七段は投了。110手で藤井竜王の勝ちとなりました。

 両者の通算対戦成績はこれで藤井竜王の3連勝です。

 藤井竜王はGブロック最終勝ち残り者として、また4連勝していた高見七段は最多連勝者として、決勝トーナメントへと進みました。

 高見七段は1回戦で前期優勝の菅井竜也銀河と対戦します。(11月15日放映、8月25日対局)

 藤井竜王は1回戦で中村修九段と対戦します。(11月29日放映、8月30日対局)

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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