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将棋界のニューフェイス徳田拳士四段(24)16連勝達成で今年度連勝ランキング1位!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月28日。大阪・関西将棋会館において伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦予選▲徳田拳士四段(24歳)-△大石直嗣七段(33歳)戦がおこなわれました。

 10時、徳田四段先手で対局開始。後手の大石七段は得意の「ダイレクト向かい飛車」を採用しました。

 しばらく駒組が進んだあと、徳田四段は持駒の角を自陣に据え、相手桂頭の歩を取ります。自然に桂頭を攻め、桂得の戦果をあげてリードを奪いました。

 大石七段は大駒の飛角を使って反撃を出ますが、徳田四段は冷静に対応。着実に優位を拡大していきます。

 最後は大石玉が受けなしで、徳田玉は詰まない形。17時1分、89手で徳田四段の快勝となりました。

 徳田四段はこれで予選の組ベスト4に進出。次戦では久保利明九段-阪口悟六段の勝者と対戦します。

 今年4月にデビューして、破竹の勢いで勝ち進んでいる徳田四段。今年度成績はこれで19勝1敗となりました。

 勝率は0.950。今年度連勝ランキングではずっと1位を快走中です。今年度はこれから後半戦が始まりますが、中原誠五段(現16世名人)が1967年度に記録した史上最高勝率0.855(47勝8敗)更新の期待もかかります。

 また徳田四段は現在16連勝中。服部慎一郎四段(23歳)の15連勝を抜いて、今年度単独1位の記録となりました。

 将棋史上最高の連勝記録は、藤井聡太四段(当時14歳)がデビュー戦から無敗で達成した29連勝です。

 29連勝はまだまだ遠い話かもしれませんが、18連勝にまで達すると歴代10位タイに入ります。徳田四段の今後に引き続き注目です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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