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大器・伊藤匠五段(19)初のタイトル挑戦に届くか? 増田康宏六段(24)に勝ち棋王戦ベスト4進出!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月12日。東京・将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯・挑戦者決定トーナメント4回戦▲増田康宏六段(24歳)-△伊藤匠五段(19歳)戦がおこなわれました。

 振り駒の結果伊藤五段先手となり、10時、対局開始。戦型は両者得意の相掛かりとなりました。

 序盤から緊迫感のある進行で、早い段階で戦いは始まります。両者ともに妥協なく踏み込んだ結果、伊藤五段がわずかにリードする展開となりました。

 終盤、伊藤玉も危険な形となります。しかし伊藤五段は正確な速度計算で、きわどくしのいで一手勝ちの形勢です。

 83手目、伊藤五段が受けに回った手が攻防の決め手となって、18時39分、増田六段の投了となりました。

 伊藤五段はこれでベスト4一番乗りを果たしました。

 次戦は羽生善治九段-広瀬章人八段戦の勝者と対戦します。

 今期トーナメントの台風の眼となりつつある伊藤五段。並み居るビッグネームを相手にさらに勝ち進み、初のタイトル挑戦権をつかむことはできるでしょうか。

 伊藤五段の今年度成績は21勝6敗(勝率0.778)となりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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