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「微妙に悪手をやってる」「内容的にもよくなかった」王位戦七番勝負で敗退した豊島将之挑戦者コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

豊島将之挑戦者「(先手で角換わりを選んで、序盤の駒組は?)いや、ちょっとなんか、後手陣がかなり手厚くなってしまったので。あまりよくなかったかもしれないんですけど。まあでもなんか(39手目)▲4五歩仕掛けれないと、なんかあんまり自信がない変化に合流してしまうので。そうですね、なんか仕掛けたあと、また駒組になったときに、あまりよくない手を指してしまったかもしれないです。(59手目、5筋の位を奪還し▲5五歩と打って1日目が終わったあたりは)いや、あんまり自信がなかったですね。まあでもなんか仕掛けないとどんどん、後手の形がよくなっていってしまうので。仕掛けないと仕方がないのかなと思ったんですけど。▲5五歩の局面は後手から手段が多そうなんで。まあ、あんまり自信はなかったです。(60手目、封じ手は△8六歩の突き捨て、さらに△5七歩と垂らされたあたりは)いやみを突かれて、なんというか、けっこうこちらがまとめづらい感じかなと思いました。いや、まあ確かに(81手目)▲9八角打つと相当なんか使えない展開になるので。でもなんか打たない手がちょっとわからなかったですね。(69手目)▲5七飛車から▲8六銀のところも、まあなんか、他の手もあるかもしれないと思ったんですけど。でもちょっとなんか、代わる手がずっとわからないという感じでした。いろいろあるんで、なんか微妙にわるい手をやってるんだと思うんですけど。ちょっとわからなかったです。(94手目)△1三角がかなりキツくてダメかなと思ったんですけど。(辛抱の受けで)▲7九歩と打つと、あとで▲7五歩と打つ攻め筋がなくなるんで、ちょっとつらいかなと思いました。(反撃に転じて)まあなんか一時期よりかは難しくなってるかもしれないとは思ったんですけど。(114手目)△6四金のときになにかあるかどうかだと思うんですけど。うーん、なんかまあでも、考えたんですけど、ちょっと負け筋しか見えなかったので。まあ、そうですね。なにかチャンスがあるとしたらそこかな、という感じがしたんですが。でもどうやってもなんか負けの順になってしまうような気がしたので。(117手目、金を捨てて攻めを遅らせる▲5八金は)いや、ダメだと思いました。(一局を振り返って)いや、なんか、あまり思わしい順が見つからなかったので。うーん、でもなんか、いろいろ手段はたぶんこちらもあったと思うんで。なんか微妙に悪手をやってるんだと思います。(シリーズを振り返って)ちょっと、けっこう早い段階でわるくなってしまう将棋が多くて。うーん、内容的にもよくなかったなと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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