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女性で初めて棋王戦本戦に進んだ里見香奈女流五冠(30)8月15日、強豪・阿久津主税八段(40)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 8月15日。大阪・関西将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯・挑戦者決定トーナメント2回戦、阿久津主税八段(40歳)-里見香奈女流五冠(30歳)戦がおこなわれます。

 本局は7月29日におこなわれる予定でした。しかし阿久津八段の新型コロナウイルス感染により延期されていました。

 阿久津八段は関東、里見女流五冠は関西の所属。本局は阿久津八段が移動して、里見女流五冠のホーム、関西将棋会館でおこなわれます。

 女流棋界の第一人者である里見現女流五冠。女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花の四冠に加えて、今年度はさらに清麗を獲得しています。

 里見女流四冠(当時)は女流棋士の代表として、一般公式戦である棋王戦に参加。浦野真彦八段、澤田真吾七段、池永天志五段、冨田誠也四段、古森悠太五段と5人の男性棋士を降して予選を通過しました。

 女性が一般公式戦の本戦に進出したのは、史上初めてのことです。

 阿久津八段は元A級の強豪。里見女流五冠にとってはもちろん、高い壁でしょう。戦型は阿久津八段の居飛車、里見女流五冠の振り飛車が予想されます。

 本局の勝者は3回戦で豊島将之九段と対戦します。

 里見女流五冠は予選決勝・古森五段戦の勝利により、女性として初めて棋士編入試験の受験資格も獲得しています。

 女流棋戦に加え、一般公式戦でも勝ってさらに対局がつくため、大変なハードスケジュールが続く里見女流五冠。8月18日にはいよいよ、棋士編入試験五番勝負も始まります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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