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現役最年長「いぶし銀」の名棋士・桐山清澄九段(74)全対局を終え引退 通算成績は996勝958敗

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月27日。大阪・関西将棋会館において第35期竜王戦5組残留決定戦▲桐山清澄九段(74歳)-△畠山鎮八段(52歳)戦がおこなわれました。

 桐山九段は今期竜王戦において4組昇級の可能性がなくなったため、規定により引退が決定。結果にかかわらず、本局が現役最後の対局でした。

 振り駒の結果、先手は桐山九段。四間飛車の作戦を採用しました。玉の囲いはオーソドックスな美濃囲いではなく、現代調の一段玉です。

 中盤の戦いでリードを奪ったのは畠山八段。以後はゆるみなく押し切って、一手勝ちを収めました。

 78手目、畠山八段が王手をしたところで桐山九段投了となりました。

 桐山九段は1966年、18歳で四段に昇段。通算成績は996勝958敗(勝率0.5097)。通算1000勝にはわずかに届きませんでしたが、タイトル獲得通算4期(棋聖3期、棋王1期)、A級連続12期(名人挑戦1回)など多くの輝かしい実績を残し、長い現役生活にピリオドを打ちました。

 桐山九段の門下からは矢倉規広七段、豊島将之九段が棋士となっています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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