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藤井聡太棋聖に挑戦するのは渡辺明名人か? 永瀬拓矢王座か? 4月25日、棋聖戦挑戦者決定戦

松本博文将棋ライター

 4月25日。東京・将棋会館において第93期ヒューリック杯棋聖戦・挑戦者決定戦、渡辺明名人-永瀬拓矢王座戦がおこなわれます。

 勝者は藤井聡太棋聖(現在2連覇中)への挑戦権を獲得します。

 昨年2021年の挑戦者決定戦も渡辺名人と永瀬王座が対戦。そのときは渡辺名人が勝ち、藤井棋聖への挑戦権を獲得しました。

 一昨年2020年は渡辺明棋聖への挑戦権を争う一戦。そこで永瀬二冠(王座・叡王)と藤井七段が相まみえ、藤井七段が勝っています。(肩書はいずれも当時)

 つまり本棋戦は3年の間、上位3人が藤井、渡辺、永瀬で変わっていないことになります。

 今期、渡辺名人は島朗九段、三浦弘行九段、久保利明九段を連破して挑決に進みました。

 一方の永瀬王座は丸山忠久九段、西田拓也五段、佐々木大地六段に勝っています。

 本局、もし渡辺名人が勝てば3年連続で藤井-渡辺の五番勝負。永瀬王座が勝てば、藤井棋聖と初のタイトル戦番勝負を戦うことになります。

 渡辺名人と永瀬王座の過去の対戦成績は渡辺19勝、永瀬6勝。渡辺名人が大きくリードしています。

 昨年度、両者は棋王戦五番勝負を戦い、渡辺棋王が3勝1敗で永瀬挑戦者を退けました。

 歳下の三十代、二十代の棋士には容易に負けない渡辺名人・棋王。現在おこなわれている名人戦七番勝負では斎藤慎太郎八段に2勝0敗でリードを奪っています。本局の下馬評もまた、渡辺乗りの声が多いようです。

 一方、永瀬王座も各棋戦でコンスタントに上位に進出し、変わらず充実しています。「このあたりで藤井-永瀬のタイトル戦を見たい」と応援するファンも多いことでしょう。

 棋聖戦挑戦者決定戦の持ち時間は各4時間。通例では夕方から夜にかけて終局となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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