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将棋史上最強・羽生善治九段(51)史上最強候補・藤井聡太三冠(19)11月9日、王将リーグで大一番

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月9日。東京・将棋会館において第71期ALSOK杯王将戦・挑戦者決定リーグ▲羽生善治九段(3勝1敗)-△藤井聡太三冠(3勝0敗)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。

 羽生九段のリーグ成績はここまで3勝1敗。初戦で永瀬拓矢王座に敗れたあとは、近藤誠也七段、豊島将之竜王、広瀬章人八段に3連勝と上げ潮ムードです。

 前期リーグでは開幕から3連敗を喫した藤井三冠。今期は逆に開幕から3連勝です。

 勝った方が王将位挑戦に近づく、今期リーグ天王山とでもいうべき大一番なのは言うまでもありません。そして両者の立ち位置を考えれば、将棋史に残る名勝負となる可能性もあります。

 タイトル通算100期まであと1期という、史上最強の棋士、羽生九段。

 四冠目の竜王位奪取まであと1勝と迫り、五冠目の王将位挑戦まで視野に入ってきた史上最強候補・藤井三冠。

 本局ばかりはどちらを応援していいのか迷うという方も多いと思われます。

 公式戦における両者の過去の対戦成績は、藤井現三冠が4勝したあと、羽生九段が1勝を返しています。

 羽生九段は昨年の王将戦リーグ開幕戦において、後手番をもって見事な勝利をあげました。

 本局の先手番は羽生九段。おそらくは相居飛車の現代最新型が見られるものと予想されます。

 羽生九段の今年度成績は8勝12敗(勝率0.400)です。

 35年連続勝ち越しというこれまでの成績からすれば、今年度は明らかに不調と思われます。しかし秋になって王将リーグで3連勝と復調の気配が見られてきたのかもしれません。

 藤井三冠の今年度成績は驚異の38勝7敗(勝率0.844)です。

 本局と同じ日、同じ東京・将棋会館において▲永瀬拓矢王座(1勝1敗)-△広瀬章人八段(2勝3敗)戦もおこなわれます。永瀬王座は挑戦、広瀬八段はリーグ残留を目指しての戦いです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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