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大いなる志を抱く藤井聡太王位(18)大忙しの日程の中、強敵に追いつけるか? お〜いお茶杯王位戦第2局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月13日・14日、北海道旭川市・花月会館において、お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第2局▲豊島将之竜王(31歳)-△藤井聡太王位(18歳)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。

 第1局は豊島挑戦者が勝ちました。

 両者の過去の対戦成績は豊島7勝、藤井1勝。豊島挑戦者が圧倒しています。

 多くの棋士を相手に勝ち越している豊島竜王ですが、それでもやはり、藤井王位との対戦成績は目をひきます。

 藤井王位の今年度成績は13勝3敗(勝率0.813)です。

「少年よ、大志を抱け」という言葉があります。藤井王位も7月19日の誕生日を迎えると19歳。もう「少年」という年齢ではないかもしれません。しかし「強くなりたい」という大きな志は一貫して変わらないようです。

 藤井王位は王位戦第1局で敗れたあと、今度は棋聖として棋聖戦五番勝負第3局に臨みました。結果は渡辺明名人に勝ち、棋聖位防衛を決めています。

 さらにはB級1組順位戦で久保利明九段に勝利。

 そして先日は竜王戦本戦で山崎隆之八段にも勝っています。

 息もつけぬほどのハードスケジュールの中、恐ろしい勢いで勝ちまくる藤井王位。丸山忠久九段、久保九段、山崎八段との対戦成績は指し分けとなり、負け越している棋士の数は減って6人になりました。

 藤井王位はここから王位防衛、叡王奪取、竜王挑戦&奪取となれば、年内に四冠の可能性もあります。もちろんそれを実現するためには高く厚い壁、豊島竜王・叡王に勝たなければなりません。

 将棋界の熱い夏は、まだまだ続いていきます。

 豊島挑戦者の今年度成績は6勝3敗(勝率0.667)です。

 直近のA級順位戦では広瀬章人八段に敗れています。本局の立会人を務めるのは、その広瀬八段です。

 昨年の王位戦北海道対局では、木村一基王位(当時)に藤井挑戦者が勝っています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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