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竜王挑戦目指す藤井聡太二冠(18)強敵・山崎隆之八段(40)と7月10日対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月10日。第34期竜王戦本戦・山崎隆之八段(40歳)-藤井聡太二冠(18歳)戦がおこなわれます。

 山崎八段は1組3位。本戦出場は5回目となります。

 山崎八段は2012年、挑戦者決定戦に進出。三番勝負で丸山忠久九段に敗れ、惜しくも竜王挑戦を逃しました。

 これまでタイトル獲得には届かなかった山崎八段。四十代での初戴冠となれば、木村一基王位(当時46歳)に次ぐ快挙です。

 藤井二冠は2組優勝。ランキング戦優勝は5年連続で、本戦出場も5回目となります。

 藤井二冠は昨年の本戦では丸山九段に敗れています。

藤井「ランキング戦、優勝できたことはうれしいですけど、やっぱり決勝トーナメントで結果を出さなければいけないと思っているので、またそちらに全力を尽くしていきたいと思います」

 藤井二冠は今期2組優勝を決めたあと、そう語っていました。激熱のハードスケジュールの中、いよいよ竜王戦本戦が始まります。

 大棋士への道を着々と歩みつつある藤井二冠。もし今期、竜王挑戦&獲得となれば、将棋界はいよいよ名実ともに藤井時代の幕開けとなるかもしれません。

 藤井二冠と山崎八段は過去に1度。2018年9月、王位戦予選でぶつかりました。戦型は角換わり。藤井七段(当時)は早繰り銀で動いたのに対して、山崎八段は腰掛銀で迎え撃ちました。長い押し引きのあと、山崎八段は藤井陣に馬(成角)を作り、次第にペースをつかみました。終盤、藤井七段は追い上げ形勢不明に。そこで藤井七段が勝負手を逃し、形勢ははっきり山崎よし。最後は山崎八段が藤井玉を詰まし、138手で勝利を収めています。

 七番勝負で挑戦者を待つラスボスは、豊島将之竜王(31歳)です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『あなたに指さる将棋の言葉』(セブン&アイ出版)など。

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