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藤井聡太二冠は順位戦史上単独2位の22連勝を達成できるか? 5月13日、B級1組・三浦弘行九段戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 5月13日。B級1組順位戦が開幕します。

 ▲藤井聡太二冠(18歳)ー△三浦弘行九段(47歳)戦は東京・将棋会館でおこなわれます。

 公式戦では半年近く負けなかった藤井二冠。しかし先日、ついに公式戦連勝記録は19でストップしました。

 しかし順位戦の連勝記録は継続中です。

 本局で勝てば22連勝。森内俊之現九段の26連勝というとてつもない大記録に次いで、史上単独2位となります。

 藤井二冠の今期成績は2勝1敗です。

 藤井二冠は今後、棋聖戦五番勝負と王位戦七番勝負の防衛戦も始まり、さらには叡王戦、竜王戦本戦も始まって、大変なハードスケジュールが予想されます。あらかじめ予定されているB級1組順位戦の日程も、どこかは変更されるものと思われます。

 三浦九段は今年度初対局です。前年度から現在までは4連敗中。相手は藤井二冠(朝日杯決勝)、糸谷哲郎八段(竜王戦1組出決)、羽生善治九段(A級順位戦最終戦)、そしてまた羽生九段(叡王戦九段戦)と強敵ばかりでした。

 B級1組ではA級からの降級者はほぼそのまま、昇級候補となります。A級通算19期の実力者が2度目のカムバックを果たすのか。初戦で難敵中の難敵である藤井二冠に勝てば、当然はずみがつくことでしょう。

 過去の対戦成績は三浦九段1勝のあと、藤井二冠が2勝をあげています。

 順位戦の持ち時間は各6時間。ただしB級2組まではチェスクロック方式で、B級1組以上は1分未満切り捨てのストップウォッチ方式となります。

 B級1組以上は実質的に、持ち時間が増えます。どんな時間設定でも強い藤井二冠。中盤で時間を惜しみなく使うスタイルですので、持ち時間が増えれば増えるだけ、さらに実力を発揮するようです。

 B級2組から昇級を決めた際、藤井二冠は次のように語っていました。

「やっぱりB1だとまた対戦相手がさらに厳しくなるかなとは思うので、これからさらに実力をつける必要があるかなというふうに思いますし。B1だと(これまでのチェスクロック方式ではなく60秒未満切り捨ての)ストップウォッチ6時間で少し持ち時間も伸びると思うので、しっかり考えて指していきたいなと思います」

 順位戦の対局開始時刻は10時。昼と夕方の食事休憩(40分)をはさんで、通例では夜遅くに決着します。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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