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百折不撓・木村一基九段(47)王座戦本戦開幕戦を制す 相掛かりで澤田真吾七段(29)に快勝

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月29日。東京・将棋会館において第69期王座戦本戦トーナメント1回戦▲木村一基九段(47歳)-△澤田真吾七段(29歳)戦がおこなわれました。

 木村九段先手で10時、対局開始。お互いに飛車先の歩を伸ばし合い、戦型は相掛かりに進みました。

 木村九段は攻めの銀を飛車先から進め、前線を突破しようとします。対して澤田七段はカウンターで馬(成角)を作りました。きわどい応酬が続いたあと、いつしか形勢は木村九段優勢となりました。

 夜戦に入り、木村九段は澤田玉を寄せにいきます。木村玉もかなり危ない形となります。しかし大丈夫と読み切っての踏み込みでした。

 木村九段はきれいな左右はさみうちで澤田玉を受けなしに追い込みます。一方、木村玉は詰みません。19時25分、澤田七段が投了し、77手で木村九段の勝ちとなりました。

 木村九段はこれで本戦ベスト8進出。隣りのカード高崎一生七段-大橋貴洸六段戦は明日30日に対局がおこなわれ、木村九段はその勝者と2回戦で対戦します。

 木村九段は2008年、王座戦五番勝負で羽生善治王座(当時)に挑戦しています。そのときは3連敗での敗退となりました。久々の挑戦権獲得はなるでしょうか。

 木村九段は澤田七段に分がわるく、これまで3連敗を喫していました。直近では王位戦リーグ紅組で敗れています。しかし木村九段は本局で1勝を返しました。

 木村九段と澤田七段、さらに豊島将之竜王を加えて三つ巴の争いとなった王位戦リーグ紅組は5月7日、リーグ最終戦を迎えます。展開によってはプレーオフでまた木村-澤田戦が実現するかもしれません。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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