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木村一基九段(47)叡王戦九段予選決勝進出! 小林健二九段(64)の四間飛車に快勝

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月22日。第6期叡王戦段位別予選・九段戦B▲木村一基九段(47歳)-△小林健二九段(64歳)戦がおこなわれました。

 木村九段先手で14時、対局開始。

 後手の小林九段は四間飛車に振りました。かつて一世を風靡した「スーパー四間飛車」といえば、小林九段の代名詞です。1994年度の早指し選手権では、立石流四間飛車を連採。準決勝で佐藤康光前竜王、決勝で谷川浩司王将(肩書は当時)を破って優勝を飾っています。

 小林九段は早めに角筋を開いて4筋と3筋の歩を五段目に進めます。対して木村九段は落ち着いて左美濃に組みました。

 木村九段は3筋に飛車を寄せる「袖飛車」の形で動きます。小林九段が歩を垂らし、と金を作る間に、木村九段は中段に桂を跳ねる形を作りました。

小林「桂馬跳ばれたの大きかったね」

 終局後すぐ、小林九段はそう言いました。以後は木村九段が着実な指し回しで優勢から勝勢を築いていきます。

 最後は木村九段が小林玉を詰ませ、15時8分、87手で木村九段の勝ちとなりました。

 10時からおこなわれた羽生善治九段-森内俊之九段戦は3時間近くかかりました。持ち時間1時間の将棋としては、本局は比較的早い終局と言えそうです。

 木村九段はこれで予選決勝に進出。19時から森内九段と対戦します。

 両者の過去の対戦成績は森内13勝、木村15勝。前期叡王戦九段戦では、森内九段が勝っています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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