Yahoo!ニュース

現在16連勝中でランキング1位の藤井聡太二冠(18)最終戦で勝つと今年度連勝賞対象外に

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 昨日3月10日。藤井聡太二冠はB級2組順位戦で中村太地七段に勝ちました。

 詳しくは順位戦の記事で触れていますが、中村七段戦の1勝で、藤井二冠の様々な記録がまた伸びていきました。

 現在の公式戦連勝記録は16。これは全棋士中トップです。ならば将棋大賞の最多連勝賞もこのまま確定・・・かと思いきや、実はそうではありません。

 藤井二冠は今年度最終戦としてあと1局、3月23日におこなわれる竜王戦2組準決勝・松尾歩八段戦を残しています。

 藤井二冠がもし松尾八段に勝つと、連勝記録は17へと伸びます。そして連勝は来年度へと継続。将棋大賞の規定では、年度をまたいで継続中する連勝は、次年度連勝賞の対象となります。

 つまり藤井二冠が17連勝を達成すると、澤田真吾七段が14連勝で2020年度連勝賞受賞となるわけです。

 他の記録部門では、最多対局賞は永瀬拓矢王座(現在66局)、勝率1位賞は藤井二冠(現在0.843)で確定です。

 最多勝数賞は藤井二冠が43勝、永瀬王座が42勝でデッドヒート。永瀬王座は本日3月11日におこなわれているB級1組最終戦で近藤誠也七段に勝てば藤井二冠に並びます。

 永瀬王座は王将戦七番勝負など、まだ複数の対局を残しています。勝数部門は最後までどうなるかわかりません。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

松本博文の最近の記事