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藤井聡太二冠(18)佐々木勇気七段(26)に続く3人目の昇級者は誰か? 3月10日、B級2組最終戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 3月10日。東京、大阪の将棋会館においてB級2組順位戦最終11回戦がおこなわれます。

 B級2組ではこれまで昇級枠は2人でしたが、今期から3人に増やされました。

 前節10回戦が終わった時点で、藤井聡太二冠(9勝0敗)と佐々木勇気七段(8勝1敗)の2人が上位3人以内に入ることが確定。両者のB級1組昇級が決まっています。参加1期目ながら、両者は圧倒的な成績を残しました。佐々木七段唯一の黒星は初戦の藤井七段(当時)戦でした。

 残る昇級1枠には誰がすべりこむのか。

 最も有利な「自力」の立場にいるのが横山泰明七段(6勝3敗、3位)です。横山七段は2年連続7勝3敗で、2年連続次点という不運。現在の規定であれば、昇級できていたところでした。

 横山七段は今期、途中まで順調に白星を重ねながらも、ここ2戦は連敗。しかしまだ自力の目は残されていました。最終戦で窪田義行七段(4勝5敗)に勝てば昇級できます。

 「他力」「キャンセル待ち」なのは上から順に澤田真吾七段(6勝3敗、4位)、村山慈明七段(同6位)、中田宏樹八段(同8位)、大石直嗣七段(同11位)、中村太地七段(同16位)、谷川浩司九段(5勝4敗、1位)です。自身が勝ち、上位者がすべて敗れると逆転昇級です。

 中村太地七段は最終戦、藤井聡太二冠と対戦します。

 中村七段は自身のYouTubeチャンネルで、その意気込みを語っています。

「順位戦の表ができたときから、3月に藤井戦があるってわかってたんで、ずっと作戦考えてた」

 という中村七段。逆転昇級は相当厳しくはありますが、それとは関係なく、藤井二冠との対戦には期するものがあるでしょう。注目の一戦です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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