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永世王位・羽生善治九段(50)お〜いお茶杯王位戦七番勝負で藤井聡太王位(18)に挑戦できるか?

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月2日。伊藤園が王位戦に特別協賛し、棋戦の名称が「お〜いお茶杯王位戦」となることが発表されました。

 Twitterを検索してみると一目瞭然ですが、「王位、お茶」という言い回しは近年、将棋界では定番のフレーズでした。

 そして現在、棋戦の正式名称にもなったわけです。

 前期王位戦七番勝負は藤井聡太新王位(18歳)誕生で幕を閉じました。

 藤井王位への挑戦権を争う今期リーグ。紅白各組6人、多士済々のメンバーが揃いました。

 紅組の一番上に名が記されているのは、前王位の木村一基九段(47歳)。1回戦では豊島将之竜王(30歳)との対戦が組まれています。これは前々期七番勝負のカードです。

 白組筆頭は、前期挑戦者決定戦で藤井七段(当時)に敗れた永瀬拓矢王座(28歳)。

もちろん今期も挑戦争いの本命格でしょう。他には二十代の若手が4人リーグに入り、新時代到来を感じさせるような顔ぶれとなりました。

 他の棋士が二十代の中、最年長でただ一人五十代なのが羽生善治九段(50歳)です。

 羽生九段は史上最多、王位通算18期を誇るレジェンド中のレジェンド。通算10期、あるいは連続5期の条件で与えられる「永世王位」の資格も得ています。

 また6人中4人が陥落する新陳代謝の激しい王位リーグで、1993年以来陥落なしという途方もない記録も継続中です。

 羽生九段はここ数年、ファンからずっと、タイトル獲得通算100期の期待をかけ続けられています。

 前期王位戦リーグ白組。羽生九段は開幕戦で藤井七段と対戦しています。

 結果は藤井七段の勝ち。この一局の勝敗が持つ意味は大きく、最終的には藤井七段5勝0敗、羽生九段4勝1敗となりました。

 羽生九段と藤井王位・棋聖のタイトル戦番勝負もまた、多くのファンが望むところです。今期棋聖戦では、羽生九段は二次予選敗退となりました。

 はたして、今期王位戦ではどうでしょうか。「お~いお茶」を飲みながら、熱いリーグ戦を観戦することにしましょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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