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若き藤井聡太棋聖(18)に永世棋聖・羽生善治九段(50)が挑戦する五番勝負は実現するか?

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 藤井聡太棋聖(18歳)への挑戦権を争う第92期ヒューリック杯棋聖戦は現在、二次予選が進行中です。

 12月22日。東京・将棋会館において二次予選2組・羽生善治九段(50歳)-高見泰地七段(27歳)戦がおこなわれます。

 棋聖位通算16期で、永世棋聖の資格を持つ羽生九段。棋聖戦五番勝負は2018年度に豊島将之挑戦者に敗れて以来遠ざかっています。

 多くの人が待ち望んでいるであろう羽生九段と藤井二冠(王位・棋聖)のタイトル戦は、羽生九段が棋聖戦か王位戦で勝ち進めば来年度にも実現します。羽生九段がタイトル通算100期をかけて藤井二冠と番勝負を戦うとなれば、また大変なフィーバーが巻き起こるでしょう。

 羽生九段が棋聖戦五番勝負に進出するためには、二次予選で2連勝、決勝トーナメント(本戦)で4連勝が必要となります。

 羽生九段の今期棋聖戦初戦は、叡王位獲得の経験もある若手実力者・高見七段です。

 2018年朝日杯本戦1回戦▲高見五段-△羽生竜王戦(肩書は当時)では、後手番の羽生竜王は四間飛車の作戦。対して高見五段は左美濃から穴熊の堅陣に組み替えます。羽生陣は攻められてバラバラになりながらも、緩急自在の指し回しで羽生九段が優勢に。最後は130手で羽生九段の勝ちとなりました。

 両者の過去の対戦は、この1局のみです。

 羽生九段の今年度成績は17勝15敗(勝率0.531)です。

 一方、高見七段は17勝8敗(勝率0.680)です。

 羽生九段はもし勝ち上がると、二次予選決勝で森内俊之九段(50歳)と対戦。両者は過去に136局戦い、羽生78勝、森内58勝という成績が残されています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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