Yahoo!ニュース

B級2組6連勝で昇級争いトップを走る藤井聡太二冠(18)12月16日、野月浩貴八段(47)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 12月16日。東京・将棋会館においてB級2組8回戦▲藤井聡太二冠(6勝0敗)-△野月浩貴八段(3勝4敗)戦がおこなわれます。

 両者にとっては、本局が初手合となります。

 藤井二冠はここまで6連勝。他に無敗者はすでにおらず、このまま勝ち続ければ最終戦を前にして、早めに昇級が確定する可能性もあります。

 藤井二冠の順位戦通算成績は脅威の35勝1敗。デビュー以来これほどのハイペースで勝ち続けてきた棋士は、過去にはいません。

 現在は17連勝中。本局に勝てば2度目の18連勝達成となります。

 野月八段は前期1勝9敗で降級点を取ってしまいました。降級点は2回取ると降級です。今期は出だし3連敗と降級のピンチを思わせました。しかしそこから巻き返し、現在は3勝4敗です。ここから3連勝して6勝4敗と勝ち越せば、規定により降級点を消すことができます。

 藤井二冠の今年度成績は33勝8敗です。

 藤井二冠は4年連続勝率8割以上という、こちらも信じられないような記録達成の可能性も見えてきました。

 先日、決勝戦が放映された銀河戦では、初優勝を達成しています。

 一方の野月八段は今年度13勝12敗です。先日の朝日杯二次予選では羽生善治九段に勝ちました。

 藤井二冠、野月八段はともに居飛車党。野月八段は後手番を持った▲羽生-△野月戦では、雁木の戦型を選んでいます。

 B級2組の昇級を争う戦いでは、▲中田宏樹八段(5勝1敗)-△中村修九段(5勝2敗)戦も注目されます。

 B級2組は8回戦が終わると、年明けすぐの1月6日に9回戦がおこなわれます。藤井二冠が対戦するのは、中村修九段です。

 12月20日にNHK・BSプレミアムで放映されるドラマ『うつ病九段』。藤井二冠役は鈴木福さんが演じています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

松本博文の最近の記事