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9月9日9時、王座戦五番勝負第2局開始 挑戦者・久保利明九段(45)の作戦は5筋位取り中飛車

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月9日9時。京都市・ウェスティン都ホテル京都において第68期王座戦五番勝負第2局▲久保利明九段(45歳)-△永瀬拓矢王座(28歳)戦が始まりました。

 第1局は3日におこなわれ、永瀬王座が勝ちました。

 永瀬王座は9月5日、28歳の誕生日を迎えています。

 9月6日には叡王戦七番勝負第8局を戦っています。結果は挑戦者の豊島将之竜王(30歳)の勝ち。将棋史上初めて、七番勝負第9局がおこなわれることになりました。

 短い期間で重要な対局が続いていく永瀬王座。2020年度成績は17勝6敗2持将棋です。

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 久保九段の今年度成績は12勝7敗です。

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 永瀬王座と久保九段の過去の対戦成績は、永瀬5勝、久保1勝となっています。

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 王座戦第1局、叡王戦第8局は神奈川県秦野市の「元湯 陣屋」で続けておこなわれました。本局の舞台は京都です。永瀬王座は関東、久保九段は関西の所属。どちらかといえば久保九段の「ホーム」に近い場所かもしれません。

 対局室にはまず和服姿の久保九段が姿を現します。

 続いて永瀬王座。最初に和服を着て、途中からスーツに着替えるのがこれまで見せてきた永瀬手筋ですが、本局では最初からスーツでの登場でした。

 立会人は桐山清澄九段(72歳)。関西の重鎮であり、またいまなお活躍を続ける現役最年長の棋士です。

「それでは定刻になりましたので、久保挑戦者の先手で始めてください」

 定刻9時。立会人の桐山清澄九段が声をかけます。「お願いします」と両対局者は一礼して、第2局が始まりました。

 序盤はまず、振り飛車党の久保九段がどこに飛車を振るのかが注目されるところです。

 左利きの久保九段。左手で7筋の歩を手にして、角道を開けました。

 キャリア途中で振り飛車党から居飛車党に転向した永瀬王座。2手目は8筋、飛車先の歩を伸ばします。

 久保九段は7筋、1筋、5筋の順で歩を突きます。そして5筋の歩をもう1つ突き、飛車を中央に転換。戦型は「5筋位取り中飛車」となりました。

 棋譜は公式ページをご覧ください。王座戦五番勝負の持ち時間は各5時間(チェスクロック使用)。昼と夕方の休憩をはさんで、通例では夜に決着します。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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