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竜王戦本戦常連・丸山忠久九段(49)今期ベスト4に進出 本戦初出場・佐藤和俊七段(42)を降す

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月31日。東京・将棋会館において竜王戦本戦▲佐藤和俊七段(42歳)-△丸山忠久九段(49歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 10時に始まった対局は21時51分に終局。結果は94手で丸山九段の勝ちとなりました。

 丸山九段はこれでベスト4に進出。準決勝では1組3位の久保利明九段(44歳)と対戦します。

丸山九段、終盤で競り勝つ

 丸山九段は2組2位。本戦初戦では藤井聡太棋聖(18歳)に勝ちました。

 佐藤七段は1組2位で、初の本戦出場を果たしています。

 振り駒の結果、佐藤七段が先手。振り飛車党の佐藤七段は三間飛車の作戦を取りました。

 丸山九段が居飛車穴熊をにおわせる駒組を進めるのに対して、佐藤七段はバランス重視の工夫した陣形で臨みます。

 佐藤七段は一段目に引いた飛車を右辺に転換し、丸山玉に照準を合わせました。

 夕食休憩時点ではようやく中央の歩が交換された段階。両者存分に時間を使い合い、比較的スローペースで推移しました。

 再開後の夜戦。戦いは4筋の佐藤玉上部で起こります。佐藤七段は薄く戦場に近い自玉を常にケアしながら応戦しました。

 佐藤七段が丸山陣のからめ手である1筋の端から攻めるのに対して、丸山九段は中央5筋に回した飛をバックに大手門正面から攻めていきます。

 難しい形勢が続いたあと、丸山九段は自玉のふところをひろげながら上部に逃げる形を作ります。このあたりで終盤の一手争いに競り勝ったか。一手の余裕を得て攻めに転じたところでは、丸山九段勝勢となったようです。

 最後は丸山九段が佐藤玉を即詰みに討ち取り、終局となりました。

 丸山九段はこれでベスト4に進出。準決勝で久保九段と対戦します。

 反対側の山は羽生善治九段と梶浦宏孝六段の組み合わせとなりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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