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藤井聡太棋聖(18)8月2日放映のNHK杯1回戦で塚田泰明九段(55)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 8月2日10時30分。NHK杯1回戦・藤井聡太棋聖(18歳)-塚田泰明九段(55歳)戦が放映されます。

 両者は過去に対戦がなく、本局が初手合となります。

 塚田九段は1981年3月、16歳3か月で四段に昇段しました。これは現代将棋史上7番目の年少記録です。

 1986年、当時としては史上最多となる22連勝を達成(現在は4位タイ記録)。王座獲得1期、順位戦A級7期在籍などの実績を誇ります。「攻め100パーセント」とも言われた鋭い攻めの棋風で、居飛車相掛かりの新機軸「塚田スペシャル」にもその名を残しています。

 NHK杯では1991年度に決勝まで勝ち上がり、準優勝の実績があります。(優勝は羽生善治棋王)

 NHK杯は出場するだけでも大変です。塚田九段は今期予選で佐藤和俊七段、上村亘五段、飯島栄治七段と強敵を連破して本戦進出を決めました。予選通過者18人のうち、塚田九段は最高齢となります。

 藤井棋聖はNHK杯参加は今期で4期目となります。昨年は2回戦で久保利明九段を相手に千日手指し直しの末に敗れました。

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 羽生善治現九段は1988年度、18歳五段当時に初優勝を飾っています。

 将棋界の数々の最年少記録を塗り替えつつある藤井棋聖であっても、羽生五段のNHK杯優勝最年少記録は、すでに現在では更新できません。となると、羽生五段の記録は空前にして、絶後の可能性も高そうです。

 本局の勝者は2回戦で木村一基王位と対戦します。もし木村-藤井戦が実現すれば、これは現在進行中の王位戦七番勝負と同じ組み合わせとなります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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