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藤井聡太七段(17)棋聖戦対局再開で史上最年少タイトル挑戦の可能性開ける! 6月2日に本戦準決勝

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 渡辺明棋聖(36歳)への挑戦権を争う第91期ヒューリック杯棋聖戦はコロナ禍のため、本戦準決勝の対局が長く延期されていました。

 しかしこのたび緊急事態宣言の全面解除を受け、6月からの対局再開が発表されました。

 発表された日程は以下の通りです。

6月2日 準決勝 永瀬拓矢二冠-山崎隆之八段

6月2日 準決勝 佐藤天彦九段-藤井聡太七段

6月4日 挑戦者決定戦

6月8日 五番勝負第1局

 これは近年異例のハードスケジュールと言ってよさそうです。

 渡辺明棋聖(36歳)は次のように記しています。

対局は5/1以来なので実戦勘がどうかですが、この休みを利用して体重を落とすことが出来たので体のキレはいいと思います(笑)

棋聖戦と名人戦がほぼ同時に始まって進んでいくことになりますが、いよいよ再開かという感じですね。

出典:渡辺明ブログ

 注目はやはり、藤井聡太七段(17歳)に集まることでしょう。

 もし藤井七段が挑戦権を獲得し、6月8日に五番勝負に登場すれば、17歳10か月20日でのタイトル戦登場(挑戦)となります。

画像

 これは屋敷伸之四段(現九段)の持つ記録、17歳10か月24日をわずかに上回り、史上最年少となります。

 藤井聡太七段は、自身に関する記録については、ほとんど関心を示していません。藤井七段が常に志しているのは、自身の棋力向上のみのようです。

 一方で将棋界、さらには一般社会においては、藤井七段の記録は一大関心事であり続けることでしょう。もし藤井七段がタイトル戦に史上最年少で登場となれば、さらなる「藤井ブーム」が巻き起こる可能性は高いかもしれません。

 藤井七段の今後の勝敗や記録がどうなるにせよ。藤井七段の対局がずっと見られず「聡太ロス」に悩まされていた将棋ファンにとって、対局再開は大変な朗報であることに間違いはないでしょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『あなたに指さる将棋の言葉』(セブン&アイ出版)など。

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