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西山朋佳女流三冠(24)今日も豪腕炸裂で竜王戦6組ベスト4進出! 女性初の5組昇級まであと1勝!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月1日。東京・将棋会館において竜王戦6組ランキング戦準々決勝▲西山朋佳女流三冠(24歳)-△長谷部浩平四段(25歳)戦がおこなわれました。10時に始まった対局は20時11分に終局。結果は121手で西山女流三冠の勝ちとなりました。

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 西山女流三冠はこれでベスト4に進出。女流タイトルホルダー、奨励会員、アマチュアを通じて初の決勝進出、および5組昇級まで、あと1勝と迫りました。

 準決勝では星野良生四段と対戦します。

西山女流三冠、勢い止まらず勝ち進む

 西山女流三冠が中飛車、長谷部四段が居飛車で、戦型は相穴熊となりました。

 両陣営ともに組み上がった中盤戦、西山女流三冠は積極的に動いていきます。飛車を中段に浮き、ぶんぶんと腕を振り回すかのように、豪快にさばきをねらいます。そして大きくポイントをあげました。

 西山女流三冠は二枚飛車、長谷部四段は二枚角を持ちます。比較すれば二枚飛車の力が大きく、西山女流三冠は側面から着々と、穴熊攻略を目指していきます。

 夕食休憩のあたりではまだ難しい形勢かとも思われましたが、西山女流三冠が押し合いを制してはっきりリードを奪いました。

 終盤、長谷部陣の金銀4枚の穴熊は健在なものの、駒損が大きく、逆転の可能性はほとんどありません。最後は西山女流三冠の勢いがそのまま表されたかのような、圧倒的な終局図が残されました。

 西山女流三冠はこれでベスト4に進出。次の準決勝・星野四段戦は、3月の奨励会最終日に続いて、社会的な注目を集めることになるかもしれません。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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