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羽生善治九段(49)はなんと4回! 藤井聡太七段(17)は記録4部門同時制覇をこの先何回達成できるか

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2020年4月1日。「将棋大賞」が発表されました。

 最優秀棋士賞は渡辺明三冠(35歳)。それに続く優秀棋士賞は豊島将之竜王・名人(29歳)でした。

 以上は選考による結果です。棋界の頂点を争う両雄の戦績はどちらが優るか。一年を通じてずっと棋界の動向をウォッチし続けてきたファンの方も、予想が難しかったのではないでしょうか。筆者の予想は見事にはずれました。

 藤井聡太七段(17歳)はタイトル戦登場はなかったものの、公式戦成績は53勝12敗(勝率0.815)。記録4部門のうち、勝数と勝率で1位となりました。

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 勝率部門ではデビュー以来3年連続1位。しかも史上初の3年連続8割以上を達成したのは、既報の通りです。

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 ここでは早くも、レジェンド羽生善治九段(49歳)に追いついたことになります。

 しかしさすがの藤井七段も、まだまだこれからという記録は多く残されています。そのうちの一つは、羽生九段がマークしている記録4部門同時制覇4回です。

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 改めて羽生九段の記録を振り返ってみると、途方もないものばかりです。

 藤井七段はフルシーズン参戦1年目の2017年度、73局を戦い61勝12敗(勝率0.836)の戦績を残しました。そして史上最多の29連勝を達成。記録4部門をすべて制覇しています。これもまた、とんでもない記録です。

 もし羽生九段の記録に追いつき、追い越す棋士がいるとすれば、それは藤井七段以外にいないでしょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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