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女性初の棋士昇格、四段昇段なるか? 西山朋佳三段(24)三段リーグ暫定3位で残すはあと2戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月16日。東京・大阪の将棋会館で奨励会例会がおこなわれました。女性初の棋士となるか、注目されている西山朋佳三段(24)は三段リーグで連勝しました。

 前々節、前節が終わった時点では暫定4位。今節の連勝で3位に浮上したことになります。

 西山三段は3月7日の最終日、四段昇段、棋士昇格の可能性を残して対局に臨むことになりました。

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 西山三段は1995年6月27日生まれ。大阪狭山市出身です。

 実姉の西山静佳初段は関西棋院に所属する囲碁の棋士です。

 西山三段は伊藤博文七段門下で、2010年、関西研修会で規定の成績をあげ、編入で関西奨励会に入会しました。

 女性奨励会員としては里見香奈さん(現女流四冠)に次いで史上2番目に三段に昇段しました。里見さんが惜しくも年齢制限で退会した後はただ一人の奨励会三段として、女性初の棋士昇格の期待がかかっています。

 女流棋戦では参加できる3つのタイトル戦ですべてタイトルを獲得。里見女流四冠、西山女流三冠の2強時代を築いています。

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 今期竜王戦6組には、女流三冠の立場で参加。小林宏七段、田中寅彦九段を連破して3回戦に進出。次戦で青野照市九段と対戦するところまで勝ち進んでいます。

 その実力は誰しもが認めるところ。四段になって、何ら不思議はありません。

 1961年に蛸島彰子さん(現女流六段)が女性として初めて奨励会に所属して、六十年近い歳月が流れました。もし史上初の女性棋士誕生となれば、文字通り、歴史的な快挙と言えるでしょう。

 西山四段誕生の場合、本人が望めば「プロ棋士公式戦」だけではなく、女流棋戦にも参加することができます。

 なお谷合廣紀三段は3位(次点)以内が確定し、次点2回で四段昇段(フリークラス入り)という規定を満たすことは確定しています。谷合三段については、以下の記事をご覧ください。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『あなたに指さる将棋の言葉』(セブン&アイ出版)など。

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