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王将位挑戦まであと2勝の藤井聡太七段(17)久保利明九段(44)の四間飛車を受けて立つ

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月14日。大阪の関西将棋会館において王将戦リーグ▲藤井聡太七段(3勝1敗)-△久保利明九段(1勝3敗)戦が始まりました。

 藤井七段は挑戦、久保九段は残留を目指しての戦いとなります。

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 藤井七段は本局を勝てば、最終戦の広瀬章人竜王戦が4勝1敗同士の挑戦者決定戦となります。

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 敗れても挑戦権獲得の可能性はありますが、他の対局の結果次第の「他力」となって、状況はかなり厳しくなります。

 久保九段と藤井七段のこれまでの対戦成績は、久保九段3勝、藤井七段1勝。今年7月5日におこなわれた竜王戦本戦トーナメントでは、藤井七段が勝っています。

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 今年8月に放映されたテレビ棋戦の銀河戦とNHK杯では、久保九段が勝っています。

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 藤井七段に公式戦で3勝以上している棋士は、久保九段(3勝1敗)と豊島将之名人(4勝0敗)のみです。

 本局、後手番の久保九段は四間飛車の作戦を取りました。対して藤井七段は急戦を見せて揺さぶりをかけます。11時半前の現在は、まだ駒組が続いている段階で、今後の展開が大きく注目されます。

 持ち時間は各4時間で、通例では夕方から夜頃に終局となります。

 本日はA級順位戦▲広瀬章人竜王(3勝1敗)-△羽生善治九段(2勝2敗)もおこなわれています。藤井七段にとっては王将戦リーグで挑戦権を争っている競争相手でもあります。羽生九段は王将戦リーグの三浦九段戦に続いて、四間飛車を採用していました。

 近年、トップクラスの対局では居飛車同士の角換わり、相掛かりが多く指され、振り飛車はさほど見られませんが、本日は振り飛車党にとっては目が離せない一日となりそうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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