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藤井聡太七段(17)初の王将戦リーグ入り決定 二次予選決勝で谷川浩司九段(57)を降す

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月1日。関西将棋会館において第69期王将戦二次予選決勝▲藤井聡太七段(17)-△谷川浩司九段(57)戦がおこなわれました。終局時刻は15時28分。結果は57手で藤井七段の勝ちとなりました。

 藤井七段は挑戦者決定リーグ入りを決めました。

大一番は短手数で決着

【前記事】

9月1日10時▲藤井聡太七段(17)-△谷川浩司九段(57)戦開始 王将戦二次予選決勝

https://news.yahoo.co.jp/byline/matsumotohirofumi/20190901-00140767/

 藤井七段▲6七銀、谷川九段△4三銀と、いわゆる「雁木」(がんぎ)の構えから、後手の谷川九段が仕掛けたところで昼食休憩となりました。

 午後、対局再開から、本格的な戦いが始まります。藤井七段がうまく立ち回り、まずはリードをあげたようです。

 藤井七段は飛車を下段にまで引かず、中段の五段目において、さらなる戦果をあげようとします。谷川九段の攻撃陣に積極的にアタックし、そこでもまた、ポイントをあげました。

 藤井七段リードでこれから終盤戦・・・と思われたところで、谷川九段はあっさり投了。わずか57手と、比較的短手数での決着となりました。

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史上最年少でのタイトル初挑戦の期待高まる

 藤井七段は待望のリーグ入りです。

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 全7人のうちあと2人、誰が来ても、棋界トップクラスのリーグであることに違いはなく、大激戦は必至でしょう。

 王将戦リーグ入りの最年少記録は1956年度、加藤一二三六段(現九段)の16歳。

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 当時のトップクラスの棋士を相手に、加藤六段は3勝4敗の成績を挙げています。あと1勝すれば、残留でした。

 藤井七段の17歳は、加藤六段の16歳に次ぐ記録となります。王将戦リーグの定員は、加藤六段の時代は8人。1981年度からは1人減って7人となりました。それ以後では、藤井七段が最年少でのリーグ入りとなります。

 藤井七段がもし今期王将戦で挑戦権を得れば、王将戦だけではなく、全タイトル戦を通じて、史上最年少でのタイトル挑戦となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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