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8月29日19時から村山慈明七段(35)と藤井聡太七段(17)が対戦 叡王戦七段予選2回戦

松本博文将棋ライター
(記事中の写真撮影:筆者)

 8月29日14時から、関西将棋会館において、叡王戦七段予選1回戦▲豊川孝弘七段(52歳)-△村山慈明七段(35歳)戦がおこなわれました。

 先手の豊川七段の作戦は三間飛車。対して村山七段は銀冠から穴熊へと組み替えました。

 中盤では、豊川七段がまずまずのわかれ。村山七段は自信の持てない展開だったようです。しかし、その後で形勢はまぎれていきます。

 終盤では村山七段が玉の堅さと遠さをいかして、一足早く豊川玉に迫る展開に。

「まいってるジャクソンか、これ」

「ここですね、ココ山岡。ここで何かなかったか」

 感想戦では、そんな豊川七段のぼやきが聞かれました。

 結果は114手で村山七段の勝ち。

「まいりマンモス」という豊川七段の言葉で、感想戦は終了しました。

 勝った村山七段は続けて同日19時から、2回戦で藤井聡太七段と対戦します。

 両者は公式戦では初手合となりますが、藤井七段がまだ奨励会三段の時、村山七段が胸を貸す形で、練習対局を指しています。

 村山七段はNHK杯で優勝したこともある実力者。『藤井聡太全局集』では解説を担当し、また序盤研究の大家として知られる村山七段が、藤井七段を相手にどのような作戦を選ぶのかも注目です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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