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将棋の牧野光則五段と元女流棋士・藤田麻衣子さんペアが連珠大会参加

松本博文将棋ライター
(記事中の写真撮影:筆者)

 2019年6月16日。東京都江東区の芭蕉記念館において、ペア連珠大会が開催されています。

 連珠はもともと、男性のプレイヤーが圧倒的に多い世界。そこで「勝てば女性のおかげ、負ければ男性のせい」をコンセプトとして、男女のペアが交互に打っていく楽しい大会創設されました。今回は12回目の開催となるそうです。

 今年は将棋の元女流棋士・藤田麻衣子さん(45歳)と、現役の将棋若手棋士・牧野光則五段(31歳)のペアも参加しています。

藤田さんと牧野五段
藤田さんと牧野五段

 藤田さんは、将棋界においては晩学組でした。東京工業大学在学中に本格的に将棋を始め、女流棋士に。最終的な段級位は「女流1級」でした。

 一方で、将棋引退後に始めた連珠はさらに晩学です。しかし、恐ろしいまでの熱量で取り組み、寝る間も惜しんで「五目クエスト」という対戦アプリで打ちまくった結果、めきめきと上達。現在はすでに二段の腕前です。ちなみに連珠は、将棋や囲碁のようにアマプロの区別はなく、名人位を争うようなトップ勢とも統一の段級位です。

 牧野五段は関西所属の将棋の若手棋士。つい最近では棋王戦予選で藤井聡太七段(16歳)と大激闘を演じたのは記憶に新しいところです。

 牧野五段は、今年に入ってから連珠を始めたそうです。そのきっかけは7種のゲームで競う「桑名七盤勝負」でした。「桑名七盤勝負」がどんな競技についてかは、こちらの記事をご覧ください。

七盤勝負でキング・オブ・ボードゲームを目指せ!

https://news.yahoo.co.jp/byline/matsumotohirofumi/20180108-00080252/

 牧野五段が認定されている連珠の段級位は現在2級。しかし二段の藤田さんとはすでに勝ったり負けたりという状況だそうです。さすがのゲームセンスと言えるでしょう。

 藤田さんは大会の朝、牧野五段と同じ髪型にして参戦。

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 1回戦はチームワークよく、勝利を収めたそうです。

 大会はトップクラスから初心者クラスまで参加。

連珠界のレジェンド、中村茂名人
連珠界のレジェンド、中村茂名人

 ゆるふわな雰囲気の中、にぎやかに進行しています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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