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U-17女子W杯に臨む21名が発表!なでしこジャパン、U-20代表に続く快挙なるか(会見一問一答)

松原渓スポーツジャーナリスト
U-17女子W杯3大会連続の決勝進出なるか(写真は2016年の前回大会決勝)(写真:ロイター/アフロ)

 11月13日(火)にウルグアイで開幕するU-17女子W杯のメンバーが、10月25日に発表された。

 日本は11月13日のグループステージ初戦でブラジル、同16日の第2戦で南アフリカ、20日の第3戦でメキシコと対戦する。この後、11月上旬の国内直前合宿を経てウルグアイに入り、本大会に臨む。

参照:U-17女子W杯前、最後の国内キャンプ。逆境の中でリトルなでしこが挑む世界一

 楠瀬直木監督が選出したメンバーは以下の21名。

GK(3名)

21 伊藤 有里彩 イトウユリア(前橋育英高)

18 福田 史織 フクダシオリ(浦和レッズレディースユース)

1 大場 朱羽 オオバシュウ(JFAアカデミー福島)

DF(6名)

4 後藤 若葉 ゴトウワカバ(日テレ・メニーナ)

2 富岡 千宙 トミオカチヒロ(JFAアカデミー福島)

6 伊藤 彩羅 イトウサラ(日テレ・メニーナ)

5 大熊 環 オオクマタマキ(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18)

3 長江 伊吹 ナガエイブキ(藤枝順心校)

14 善積 わらい ヨシズミワライ(セレッソ大阪堺レディース)

MF(7名)

8 瀧澤 千聖 タキザワチセ(十文字高)

7 松田 紫野 マツダシノ(日テレ・メニーナ)

20 石田 千尋 イシダチヒロ(JFAアカデミー福島)

19 森田 美紗希 モリタミサキ(岡山県作陽高)

15 西野 朱音 ニシノアカネ(常盤木学園高)

10 中尾 萌々 ナカオモモ(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18)

16 木下 桃香 キノシタモモカ(日テレ・メニーナ)

FW(5名)

9 神谷 千菜 カミヤチイナ(聖カピタニオ高)

12 大澤 春花 オオサワハルカ(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18)

11 田中 智子 タナカトモコ(セレッソ大阪堺レディース)

17 岩井 蘭 イワイラン(JFAアカデミー福島)

13 山本 柚月 ヤマモトユヅキ(日テレ・メニーナ)

監督:楠瀬直木

コーチ:宮本ともみ

GKコーチ:小林忍

メンバー発表会見での楠瀬監督による一問一答

楠瀬監督:いよいよウルグアイのW杯が来月始まります。メンバー選考は、約380人ぐらいをリストアップした中から選考に選考を重ねて、国内キャンプや、8月にはウルグアイのシミュレーションキャンプを行い、21名を決めました。将来、なでしこジャパンにつながる選手という基準で選びましたし、(選ばれた21名の)他にも同レベルの選手はいましたが、その中でコンディションが良い選手、人間力、将来性がある選手を選びました。選ばれなかった選手たちの分も、いい戦いをしていきたいと思っています。

ーー今後、U-20、なでしこジャパンにつなげるという点で、選手たちにどんなことを期待していますか?

楠瀬監督:将来なでしこジャパンに入りたいという向上心があって、サッカー小僧、サッカー娘といった感じで、トレーニングが終わってからもずっとボールをいじっている。そういうオフの部分でも、なでしこの名に恥じないようなものを持っていることは大切だと思います。選手たちに、やはりノルマとして6試合を戦わせたいと思っています。アジア予選(2017年AFC U-16女子選手権)を突破するのは当然のノルマでした(結果は3位で出場権を獲得)。ワールドカップ、世界大会はそのご褒美ではないですが、真摯にサッカーに向き合っている選手、将来真剣にサッカーに携わっていきたいと考えている子たちで戦っていきたいと考えて選びました。

ーーリストアップした380人から21名に絞るに当たってどのような経緯があったのでしょうか?

楠瀬監督:いろいろなところで大会や練習試合などの情報を聞きつけて全国を回り、いい選手がいたら、3試合ぐらいは見ました。格上のチームとやったらどうか、同等のチームとやったらどうか、格下とはどうか。あとは練習を見に行って、その上でトップ(レベル)の選手たちが集まっている代表キャンプに呼んだのが66名です。本来、そこは80名から100名ぐらいに(増や)したいと思っています。そこから50人ぐらいのラージグループに絞りました(今年8月のU-20女子W杯で)池田太監督が頑張ってくれて優勝したU-20には、(前大会の)U-17で一緒に戦った選手が8人から10人いました。その人数を(今後はさらに)増やして、15人ぐらいの中で監督が悩むような選手が出てきたらなと。そういった狙いの中で、今回の21人に絞りました。

ーー最終的に、どのぐらいの人数の中で悩みましたか?

楠瀬監督:ポジションにもよるのですが、30名ぐらいですね。正直なところ「もうこの子は確定だ」と言える選手は一握りぐらいしかいません。(今後は)そこを増やしていかないといけないと思っています。この選手たちはオリンピックでいうと、(2024年の)パリ、(2028年の)ロサンゼルス世代になりますので、そこの人数は増やしていかなければいけない。今回の大会も、そういうところを目指すスタートだという気持ちで、選手たちにも責任を持って挑んでもらいたいと思います。

ーー例年、この年代は組織力や戦術理解度などの面で他国に勝り、楠瀬監督も前回大会で準優勝という成績を残されましたが、今回のチームはそういった強みはありますか?

楠瀬監督:戦術理解は高いと思います。理解していることが世界で通用するかは別として、そうやって(ゲームを)組み立てていくことはできると思います。ただ、なでしこに残って代表選手になるというのは、やはりパーソナリティを持っていないといけない。前回のU-20の大会では、そういう個を持った選手がいました。個でも勝負できないと、その先(のなでしこジャパン)では勝負できないと思っています。戦術理解度の高さで勝利できるかもしれませんが、僕らの本当の勝利はやはり、なでしこジャパンで活躍して世界を獲り、女子サッカーの文化が広がっていくというところがゴールなので。選手たちには戦術に溺れることなく、勝負してもらいたいなと思っています。

ーー人間力という点ではリーダーシップとかムードメーカーとか、いろいろな要素があると思いますが、どういったことを重視されていますか。

楠瀬監督:そういうものが出やすいような環境づくりをすることが大切ですし、そういう要素が出てきたら、こちらは褒めてあげたり伸ばしてあげるようにしています。出来上がったものがあるわけではないので、「そこがお前のいいところだよ」、「遠慮しないで」というように、推奨していくような雰囲気作りをしていきたいと思っています。

ーー大会で攻守の中心になりそうな選手と特徴を教えてください。

楠瀬監督:前回のU-17のヨルダン大会にはメンバー入りしなかったんですけれども、その時からキャンプに呼んでいるメニーナの松田紫野は、ずっとキャプテンをやらせています。前回(今年9月)のキャンプはケガで来ていませんが、彼女はセンターバックから中盤までできますし、(所属チームのメニーナのトップチームの)ベレーザでのプレーも経験していますので期待しています。

ーー1次リーグの相手のイメージを教えてください。

楠瀬監督:初戦はブラジルですが、やはり南米で南米のチームと戦うのは、杓子定規にはいかないと思っています。ウルグアイにも(シミュレーションキャンプで)行きましたが、ホームということで想像以上のパワーとかモチベーションできたので、1勝1敗という結果で帰ってきました。ブラジルも、2時間で来られるので、家族とか友達も連れてくると思います。初戦のブラジル戦の立ち上がりの15分、20分のために練習してきたようなもので、スタートさえしっかり切れて順調にいけばいいのですが、そんなに簡単にはいかないと思います。もし先制点を取られてもバタバタしないように、いい準備をしていきたい。ブラジルはタレントもいますし、慎重にいきたいです。2試合目は南アフリカですが、アフリカのチームはやはり未知です。調子に乗ると止まらないですし、想像していなかったところから足が出てきたりもするので、いろいろなことを想定しながらやっていきたいです。3試合目で対戦するメキシコにはプロで活躍している選手がいます。どういう状態で3戦目を迎えるか分からないのですが、とにかく先のことよりも一戦一戦集中して、世界の舞台を感じてもらえたらと思っています。

 U-17女子W杯を戦うU-17日本女子代表の日程は以下。

■11月13日(火) 14:00 グループステージ第1戦 対 ブラジル @Estadio Domingo Burgueno Miguel

■11月16日(金) 14:00 グループステージ第2戦 対 南アフリカ @Estadio Domingo Burgueno Miguel

■11月20日(火) 14:00 グループステージ第3戦 対 メキシコ @Estadio Domingo Burgueno Miguel

■(グループステージ1位突破の場合) 11月24日(土) 17:00 準々決勝 @Estadio Profesor Alberto Suppici

■(グループステージ2位突破の場合)11月25日(日) 16:00 準々決勝 @Estadio Charrua

■11月28日(水) 16:00/19:00 準決勝 @Estadio Charrua

■12月1日(土) 16:00/19:00 3位決定戦/決勝 @Estadio Charrua

 大会はフジテレビ系列で放送される。

 

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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