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なでしこリーグって、どんなリーグ?

松原渓スポーツジャーナリスト

みなさん、こんにちは。

今回、新しくページを開設させていただくことになりました松原渓です。

私は現在、BSフジINAC TVのキャスターとして、毎週、各地のスタジアムで女子サッカーを取材&レポートしています。

これから、この場を借りて女子サッカーにまつわる様々な記事を書いていきたいと思います!

女子サッカーと聞いて、まずみなさんがイメージするのは「なでしこジャパン」ではないでしょうか?

「なでしこジャパン」ことサッカー女子日本代表チームは、2011年女子ワールドカップでで女子サッカー大国・アメリカやドイツを破って優勝し、世界一に輝きました。

この活躍で一気に女子サッカーに光が当たることとなり、翌年2012年のロンドンオリンピックでの銀メダル獲得も記憶に新しいところです。

日本に感動を与えてくれなでしこジャパンの選手達が普段活躍するのが、「なでしこリーグ」こと日本女子サッカーリーグ。

平成元年(1989)6チームで発足し、以降、JLSL(Japan Ladies Soccer League)⇒Lリーグ(Ladies League)と呼称を変え、平成18年(2006)より「なでしこリーグ」と呼ばれています。

このページでは…

・女子サッカーの「なでしこリーグ」って、どんなリーグ?

・どんなレギュレーションで試合をしているのか?

・選手はどんな生活をしているのか?

・男子のJリーグとはどんな違いがあるのか?

・女子サッカーの魅力って?

・今、アツイ選手はどの選手!?

・育成事情はどうなっているのか?

といった、みなさんが女子サッカーについて素朴に疑問を感じるようなことから、実際に行われているリーグの結果まで、月1回以上のペースで更新して行きたいと思っています!

女子サッカーに興味のある女の子やご両親をはじめ、いろいろな世代の方に読んでいただけるような内容にしたいと思います♪

【「なでしこリーグ」って、どんなリーグ?】

なでしこリーグは、日本女子サッカーのトップリーグ。

全10チームが2回戦総当たりで年間18試合を戦い、優勝を争います。

Jリーグで言えばJ2に当たる2部は「チャレンジリーグ」。

16チームが8チームずつ2ブロックに分かれ、2回戦総当たりの後、後対戦しなかったもう一方のリーグに所属するチームと各1試合対戦するというルールです。

なでしこリーグは「プロ」リーグではありません。

サッカーを仕事として生活しているプロ選手もいますが、割合的には仕事をしながらサッカーと両立させている選手の方が多いのが現状です。

仕事とサッカーを両立している選手がいるチームは、どうしても練習は夜からになってしまいます。

仕事が終わって夜6時、7時ぐらいからナイター練習が始まり、終わるのは22時すぎ。

また、全員が同じ職場とは限らないため、なかなか全員が揃っての合宿などができないのももどかしいところです。

とはいえ、なでしこジャパンのW杯優勝がもたらした女子サッカーブームのおかげで、女子サッカーのフェアプレー精神やイメージの良さに注目した企業がスポンサー企業に名乗りを上げ、環境が改善されたチームも多いのです。

たとえば2部に新たに参入したノジマステラ神奈川は、全員がスポンサー企業のノジマ(家電量販店)に務め、社員として働きながら仕事をしていますが、仕事は午後の早い時間に終わり、まだ明るい時間からサッカーをすることができ、コンディション調整にもその分時間を割くことができます。

ノジマは昨年発足して、快進撃を続けています。

今シーズンから参入したチャレンジリーグでも、上位をキープしています。

これからはさらにこういうチームが増えて行くことが、日本女子サッカーのレベルアップにもつながると言えます。

【強いチームは?】

現リーグ女王は、INAC神戸レオネッサという、神戸のチーム。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

なでしこジャパンの澤穂希選手をはじめ、川澄奈穂美選手、田中明日菜選手、近賀ゆかり選手、高瀬愛実選手、海堀あゆみ選手、田中陽子選手、京川舞選手などが所属するタレント軍団。2011年と2012年のリーグを無敗優勝で連覇しています。

そして、今季リーグ戦は4月4日に開幕して、ここまで6試合が行われましたが、INACが全勝で首位に立っています。

リーグ無敗記録はなんと「43」!!

女子ワールドカップ当時、なでしこジャパンのサッカーは、メッシやイニエスタらスター選手が所属するかの有名な「バルセロナ」のサッカーのようだ、と形容されましたが、なでしこリーグの中でバルセロナのような美しいサッカーで勝利し続けるチーム、それがINACです。

INACの選手達は一部のプロ選手を除き、スポンサー企業の社員として所属していますが、彼女達の仕事は「サッカー」。

プロ選手と変わらない環境で、太陽が出ている昼間に練習をすることができるんです。

選手は午前の練習を終えて、午後は自由な時間になることも。

日本女子サッカーの言わずと知れたパイオニアで、プロ契約選手でもある澤選手は、そういった時間をコンディション調整に充てているそうです。高いプロ意識が、周りの選手にも大きな影響を与え続けています。

そんなINACの独走に待ったをかけるのはどのチームか?

それが、東京ヴェルディの女子チーム、「日テレ・ベレーザ(東京)」。

多くの代表選手を輩出してきた歴史あるチームで、日本女子サッカーの歴史はこのベレーザとともにあると言ってもいいほどです。

なでしこジャパンの岩清水梓選手や、阪口夢穂選手が所属していますが、このチームの特徴は、なんといっても、下部組織から力を入れている選手育成。

U-20(20歳以下)の女子ワールドカップ(通称:ヤングなでしこ)や、U-17(17歳以下)の女子ワールドカップ(リトルなでしこ)と言った下の年代の世界大会に出場している選手が多く、未来のなでしこジャパン入りが期待される選手が多く所属しています。

その他、オリンピックでキャプテンとしてチームをまとめた宮間あや選手が所属する岡山湯郷Belleや、同じく下部組織からの選手育成に定評のある浦和レッズレディースなどが毎年、上位に食い込んできます。

その他、なでしこリーグに所属するチームは以下。

・ベガルタ仙台レディース(仙台)

・アルビレックス新潟レディース(新潟)

・ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(千葉)

・伊賀フットボールクラブくノ一(三重)

・スペランツァFC大阪高槻(大阪)

・FC吉備国際大学Charme(岡山)

どのチームもそれぞれにカラーがあり、異なる魅力があります。

【どんな世代のお客さんが多いのか?】

客層も、Jリーグとは違います。

各チームには、毎週末の試合に全国から駆けつける、熱い地元のサポーターが!

たとえば、岡山湯郷Belleは、温泉地としても有名な岡山県美作市に拠点を構えています。

選手の職場は市役所や小学校、温泉旅館と幅広く、地元を挙げてチームをサポートしており、週末の試合会場は地元のファンでいっぱい!

遠くから温泉旅行を兼ねて1泊2日で試合を見に来るというお客さんもいます♪

観戦は有料ですが、チケットは1000円〜2000円とスポーツ観戦イベントとしては比較的安く、会場には小学生や、地元の少年少女サッカーチームの子供達の姿も多く見られます。

【注目選手は?】

リーグの顔とも言えるのは、やはり澤穂希選手でしょう!!

日本が優勝したドイツ女子ワールドカップでMVP、得点王をW受賞した澤穂希選手はアジア人史上初の「FIFA最優秀選手賞」受賞者となりました。

日本女子代表では男女合わせても歴代トップのゴール数を持ち、今もその記録を更新し続けています。

男子サッカーで言えば「キングカズ」こと三浦知良さんのような、レジェンド的存在。グラウンドに立ち、プレーする姿には百戦錬磨のオーラがあります。

というわけで、初回はここまで。

次回からは、まさに現在行われているなでしこリーグの見所や注目選手について書いていきます。

ぜひ皆さんも、今週末からなでしこリーグ観戦デビューしてみませんか?

画像

詳しくはリーグのHPをチェック★

日本女子サッカーリーグサイト

http://www.nadeshikoleague.jp/

5月4日のテレビ東京FOOT×BRAINに出演します。

テーマは「女子サッカーの育成」について。

サッカー協会理事で解説者の北澤豪さんと一緒に、なでしこジャパンが強くなった理由を考えます。

ぜひご覧下さい^^*

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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