~続・工場編(3)

受刑227/384日目

合理的なセルフトーク

 この日は第2金曜で教育的指導日であり、作業がなかったことから、朝から録音教材やVTR教材が放送されたほか、「合理的なセルフトーク」というテーマによる問題形式の課題も出された。再犯防止のためのプログラムの一つで、認知行動療法に基づく。

 「セルフトーク」とは、自分自身に対して言葉をかける「独り言」のことで、声に出すよりも心のなかで語りかけることのほうが多い。人は思うようにいかなかったとき、つい無意識に「やばい」「まずい」「だめだ」といったネガティブな言葉をつぶやく。これがその後の感情や思考、行動にも影響を与える。

 そこで、こうした独り言の内容を意識し、マイナス思考を中断し、「でも、できる」「でも、いける」「でも、大丈夫」といったプラス方向の「セルフトーク」に変えていくことが重要だという。これによって「認知の歪み」が解消され、ストレスを溜め込まず、不安なく自信にみちた生き方ができるとのことだった。

 確かに、マウンドで観客の注目を一身に集めるプロ野球のピッチャーなど、プロスポーツの世界では、試合中に何かブツブツとつぶやいている選手の姿をよくみる。望ましい「セルフトーク」により、集中力を高め、パフォーマンスの向上を図ろうとしているのだろう。