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ノート(173) 配役された工場とそこでの作業の内容は?

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~工場編(1)

受刑56/384日目

配役工場の告知

 「ちょっと話があるから、出てくれるか」

 朝食後、独房でギフトボックスづくりの作業をしていると、1舎2階の舎房を担当する刑務官からそう指示された。この刑務官に連れて行かれたのは取調べ室だった。扉は開いており、机を挟んで奥に処遇部の第3統括矯正処遇官がこちらを向いて立っていた。

 新入教育の際に警備隊長から指導されたとおり、まず出入り口の手前で一礼し、部屋に入り、白線のところで止まって再び一礼した上で、氏名と称呼番号を述べた。

 「今日から図書計算工場に行ってもらう。昼夜間は独居に収容することになったから。居室は今のところから変わるので、移動すること。工場では担当職員の話をよく聞き、指示に従うこと」

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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