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ノート(124) 最高検や高検に「特捜係検事」を置くという検察改革について思ったこと

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

~整理編(34)

勾留129日目

2か月ぶりの散髪

 この日は、面接室で11月30日以来の散髪が行われた。2か月に1度というのが法令で定められたルールであり、きっちりと守られているわけだ。

 前回の散髪では丸刈りの中でも「標準」ということで2分刈りにしたが、今回は一番短い5厘刈りをお願いした。男性受刑者がバリカンを使って刈ってくれるので、仕上がりまであっという間だった。

 手で触れると2分刈りよりも遥かに地肌に近く、夏場は快適だろうが、冬場は相当厳しいだろうと思われた。

特捜係検事、大変では

 この日、差し入れられた週刊誌の記事の中に、最高検が示した検察改革に関する論評があった。最高検や高検に「特捜係検事」を置き、証拠関係をチェックするという改革について、むしろ捜査を行う現場の責任をあいまいにさせるのではないかと、批判的な意見が述べられていた。

 何も制度を変えないよりはマシだが、そもそも膨大な供述調書や捜査報告書、証拠物を有機的に検討できるはずがないだろう。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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