前回、今年に存続期間満了になるヤフーの重要とされる特許について書きました。その調査過程で気がつきましたが、ヤフーの持株会社Zホールディングズが権利者となっている正真正銘の超重要特許である検索連動型広告の基本特許(特許3676999号)も、今年の5月26日に存続期間満了になります。

GoogleのAdWordsに代表される検索連動型広告の技術として、そして、ビジネスモデルとしての重要性は計り知れません。時価総額1兆ドルのGoogle(Alphabet)という企業の富の源泉をもたらした特許と言えます。本特許の最初の出願人は、今はなきネット広告会社Overture社(2003年に米Yahoo!により買収)です。Overture社はIPO直前のGoogle社に本特許権を行使し、裁判の後、Googleは自社株の一部譲渡を条件に和解しています。この裁判でYahoo!(Overture)が強気に出て、徹底抗戦していたら今のGoogleはなかったかもしれません。

本特許に相当する米国特許には、6,269,361号と6,078,866号がありますが、前者は2019年5月28日に存続期間満了、後者は2018年9月14日に存続期間満了しています。今回、日本の3676999号も存続期間満了となることで、日本におけるAdWords的な検索連動型広告の実施が容易になると思われます。ただし、現実問題として、この特許が満了したからと言って、日本企業がGoogleに相当するような検索エンジン・ビジネスにキャッチアップできるとは思えませんが(ニッチ的な分野での使い道はあるかもしれません)。

また、基本特許をクリアーしてもそれ以外の部分で特許侵害してしまうリスクがあることは言うまでもありません。たとえば、Googleは2014年にAdWordsに関してVringoというNPEに米国で訴訟を起こされ損害賠償を命じられました(後に、控訴審で逆転しましたが)。