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フェイスブック、年内に眼鏡型ウエアラブル発売か スマホに次ぐ「次世代デバイス」、アップルも開発中

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

米フェイスブック(FB)は、開発中の眼鏡型ウエアラブル機器に顔認識技術を搭載することを検討していると、米CNBCが報じた

AR(拡張現実)・VR(仮想現実)部門担当副社長のアンドリュー・ボスワース氏が自身のインスタグラムのアカウントを通じてフォロワーに語った。

「倫理的な問題はらむ」、慎重に検討

同氏は「利用者が満足できるような素晴らしい活用事例がある」と述べた。その一方で、「顔認識技術や、常時作動のカメラやマイクについては、さまざまな方法で悪用される恐れがあり、倫理的な問題をはらむ」とし、慎重に検討する考えも示している。「顔認識技術の有無にかかわらず良い製品になる」(同氏)という。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は2020年9月、フランスの眼鏡・サングラス大手エシロール・ルクソティカと眼鏡型ウエアラブル端末の開発で提携したと明らかにした

最初の製品は「レイバン(Ray-Ban)」ブランドで発売する予定という。21年内の市場投入を計画していると発表していたが、ボスワース氏は今回、計画は順調に進んでいると述べた。

画像出典:米Facebook
画像出典:米Facebook

フェイスブックは昨年、「アリア(Aria)」と呼ぶ試験端末のプロジェクトを立ち上げている。開発者が身に着ける試験用の眼鏡型ウエアラブル機器を介して動画や音声、視線追跡、位置情報などのデータを収集し、消費者向け眼鏡型端末の開発に役立てるというプロジェクトだ。

その後プロジェクトの進捗や、エシロール・ルクソティカと開発中の端末の詳細は明らかにしていない。だがCNBCによると、端末では電話や情報表示、見ている風景のライブ動画配信などが可能になるもよう。また、端末に情報を入力するための、AI(人工知能)音声アシスタントや、モーションセンサー搭載の指輪型入力装置も開発しているという。

アマゾン「Echo Frames」と競合

フェイスブックの眼鏡型端末は、米アマゾン・ドット・コムの「エコー・フレームズ(Echo Frames)」などと競合することになると、米バズフィードは報じている。アマゾンの製品は、ディスプレーを備えないものの、音声アシスタント「Alexa」に対応し、電話をかけたり、音楽を聴いたり、家電を操作したり、スケジュールなどの通知を受けたりできる。

一方、ボスワース氏は以前、フェイスブックの眼鏡型端末は、利用者同士の交流を目的とした製品だと述べていた。同社は人々を結び付けるためにAR眼鏡をどう生かせるかを念頭に置いており、製品そのものに重きを置く他社とは取り組みが違うとしていた。 

アップルは22〜23年発売か

ウエアラブル端末はスマートフォンやタブレット端末に次ぐ「次世代のデバイス」として注目されている。米グーグルは現在、産業用眼鏡型ウエアラブルを手がけている。

グーグルは20年7月、眼鏡型端末を手がけるカナダのスタートアップ企業、ノースを買収したと発表した。アンビエント(生活環境)コンピューティングの開発を進めているという。

アップルもAR用ウエアラブルを開発中とされる。米メディアのジ・インフォメーションやCNBCによると、同社は22〜23年にヘッドセットと眼鏡型端末を発売する計画だという。

アップルは21年1月、ハードウエアエンジニアリング担当上級副社長のダン・リッキオ氏がティム・クックCEO直属の新規プロジェクト担当幹部に昇格すると明らかにした

リッキオ氏は、一体型デスクトップパソコン「iMac」をはじめ、5G対応スマートフォン「iPhone 12」、独自プロセッサー「M1」搭載Macなどの設計、開発、エンジニアリングなどを率いてきた人物。

同社はリッキオ氏が担当する新プロジェクトの詳細を明らかにしていない。だが、CNBCなどは開発中のVR・ARヘッドセットや電気自動車(EV)を統括する可能性があると報じている。

  • (このコラムは「JBpress」2021年3月2日号に掲載された記事を基にその後の最新情報を加えて再編集したものです) 

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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