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アップルと韓国・現代がEV生産で合意に近づく、アマゾンは第2本社の開発案を公開

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース2本をダイジェストで

[1]アップルと韓国・現代がEV生産で合意に近づく

 米アップルが進める電気自動車(EV)生産計画について、同社と韓国・現代自動車の系列自動車メーカー、韓国・起亜の提携交渉が合意に近づいていると、米CNBCが2月3日に報じた。

 アップルブランドの自律走行車を、米ジョージア州ウエストポイントにある起亜の完成車工場で製造するというもので、暫定的に2024年に生産開始する予定だという。

 アップルは同社のソフトウエアとハードウエアを組み込む「アップルカー」を北米で生産したい考えで、提携相手となる大手自動車メーカーを探していたという。

 スマートフォンの市場規模は5000億ドル(約52兆5200億円)でアップルは約3分の1のシェアを持つ。自動車産業の市場規模は10兆ドル(約1050兆3000億円)で、アップルはこのうち2%を獲得すればiPhoneと同規模のビジネスを展開できるという。

 一方、起亜は21年1月15日、社名を「起亜自動車」から「起亜」に変更した。「自動車製造業の枠を超え、持続可能なモビリティーソリューションの創造」を目指す新戦略の一環とする。完全自律走行車であるアップルカーを手がけることで、現代自グループは自動運転開発を加速できるという。

[2]アマゾンが第2本社の開発案公開、10年間で2.5万人雇用、25億ドル投資

 米アマゾン・ドット・コムは2月2日、米バージニア州アーリントンで開発を進めている第2本社(HQ2)の第2工期計画案を公開した。「ペンプレイス(PenPlace)」と呼ぶ敷地に、3棟の22階建てオフィスビルと、「ヘリックス(The Helix)」と呼ぶ高さ約107メートルのオフィスタワーを建設する。

画像出典:米Amazon.com
画像出典:米Amazon.com

 ヘリックスは二重らせん状の建物で、屋外通路にバージニア州の木々や植物を植える。米CNBCによると、アマゾンは「らせん状のバーティカル・フォレスト(垂直の森)」と表現している。この建物は社員のオフィス空間になるほか、毎月特定の週末に一般公開する。

 3棟のオフィスビルも合わせた総オフィス空間は約26万平方メートル(東京ドーム約5.6個分)。アマゾンが掲げる「気候公約」に沿って100%再生可能エネルギーで稼働するという。

 敷地には円形劇場や公園のほか、レストランや小売店などのスペースを設ける。アマゾンは2.5エーカー(約1万平方メートル)を地域に開放する。着工は2022年で、25年の完成を予定している。

 アマゾンは、ペンプレイスの南にあるメトロポリタンパークと呼ぶ、約20万平方メートル(東京ドーム約4.2個分)の開発区に2棟の22階建てオフィスビルを建設中。これらアーリントン地域で今後10年間に2万5000人を雇用し、25億ドル(約2630億円)を投資する計画だ。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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