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アップルと現代自が3月にもEV生産で提携か、米IT大手はトランプ氏支持者愛用のSNSと断絶

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]アップルと韓国・現代自、3月にもEV生産で提携か

 米アップルと韓国・現代自動車が自動運転の電気自動車(EV)生産に向けてまもなく提携すると、ロイターが韓国メディアの報道を基に2021年1月10日伝えた。

 2021年3月までに契約を締結し、24年ごろに米国で生産を始める計画だという。韓国メディア「Korea IT News」はその後記事を訂正し、詳細を削除した。訂正前の記事は、現代自動車のグループ会社、起亜自動車が米ジョージア州に持つ工場でアップルのEVを生産すると伝えていた。

 アップルと現代自動車が共同出資し、米国内に新たな工場を建設する可能性もあるとする。まず22年に「試用モデル」を開発し、24年ごろに10万台を生産するという。

 提案されている工場は年間40万台の生産能力を持つと報じている。現代自動車は1月8日、アップルとの「初期の段階」の交渉を認めた。

[2]テスラの時価総額8000億ドル突破、CEOは世界一の富豪

 米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価は1月8日に前日比7%高となり、時価総額が8200億ドル(約85兆4400億円)に達した。フェイスブックを上回る規模で、米アップル、米マイクロソフト、米アマゾン・ドット・コム、米アルファベットに次ぎ、米企業で第5位。

 テスラ株は短期間で急上昇した。20年1月には時価総額が1000億ドルの大台を超えた初の米自動車メーカーになった。20年7月にはトヨタ自動車を抜き、自動車メーカーで世界首位になった。同11月には5000億ドルの大台を突破。20年12月に同社株はS&P500種株価指数に組み入れられた。

テスラのイーロン・マスクCEO
テスラのイーロン・マスクCEO写真:代表撮影/ロイター/アフロ

 米メディアは1月7日、イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)の純資産が1850億ドル超(約19兆2800億円)となり、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOを抜いて世界一の富豪になったと報じた。

[3]米IT大手、トランプ氏支持者愛用の新興SNSとの関係断絶

 米アマゾン・ドット・コムや米アップルなどの米IT大手が新興のSNS「パーラー(Parler)」との関係を断つと、米ウォール・ストリート・ジャーナルやロイターなどが1月9日に報じた。

 アマゾンは1月11日午前0時にパーラーに対するクラウドサービスの提供を停止する。アップルは9日、同アプリの配信を停止した。米グーグルは8日に同アプリを配信ストアから削除した。暴力・違法行為といった脅威への対策が不十分だったという。

 パーラーはトランプ米大統領の支持者に愛用されている。米フェイスブックが7日にトランプ氏のアカウントを無期限凍結とし、米ツイッターが8日に永久停止にした後、パーラーはトランプ氏支持者の「避難所」になっていたという。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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