コロナ禍で新幹線が格安に! 「のぞみ」は前例なき半額、起爆剤となるか

安くなると気軽に東京から新大阪へも行ける、のか?(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

「のぞみ」が半額! そんな話がネットの中を駆け回っていた。JR東海は、割引率の高いきっぷを普段は販売しておらず、エクスプレス予約でも東京~新大阪間で「のぞみ」は13,620円(紙のきっぷは14,400円)と、大幅な割引は行っていない。21日前の「EX早得」でも、11,200円という設定となっている。

 一方、鉄道の需要減を受けて、JR東海子会社のJR東海ツアーズは、「ひさびさ旅は新幹線!」と題し、「新幹線日帰りパック」をさらにお得にした。

 JR東海ツアーズといえば、多くの人は「ぷらっとこだま」を提供する会社として知っていることだろう。新幹線と宿泊施設などを組み合わせた旅行商品を提供し、ビジネス利用者を中心に支持を集めていた。

 そのJR東海ツアーズが、格安で「のぞみ」を提供するようになった。9月末までの出発限定となっており、往復でおよそ半額となっている。

東京~新大阪往復15,200円

 東京から新大阪までは、往復で15,200円となっている。通常に比べ、こちらもおよそ半額だ。さらに、JR東海の駅売店で使用できる500円のクーポンもついている。

 なぜこのような料金設定が可能なのか。実はこれは、「きっぷ」ではなく「旅行商品」である。JR東海ツアーズが、JR東海から新幹線のきっぷを団体向けの割引で仕入れ、それを「旅行商品」として発売する仕組みになっている。

 それと国からの支援を合わせ、この金額で販売できるようにしている。

 したがってこの「半額」サービスは、かんたんに駅の指定席券売機で買えるものではないのだ。

 まず乗車3日前にネットで予約し、クーポンを郵送してもらうか、JR東海ツアーズ支店の窓口に行って受け取らなければならない。あるいは支店での直接購入なら、乗車前日でも可能だ。

 そういう意味では、「エクスプレス予約」のような気軽さはない。同じJR東海ツアーズの旅行商品でも、「ぷらっとこだま」のように指定席券売機で受け取れる気軽さもない。ただ安さだけがポイントとなっているものである。

 しかし、その安さがあるためか、ネットで大きく話題となっている。ただし、この旅行商品は、利用できる列車が限られており、たとえば東京発なら朝早い列車ばかりである。

 もちろんこの旅行商品は、さまざまな区間で発売されている。日帰り旅行を計画し、予定のある程度立てられる状況にある人であれば、使用してみるのもいいかもしれない。

ほかの新幹線も50%off

 JR東日本では「お先にトクだ値スペシャル」で、列車や期間によって50%offのきっぷを発売している。8月20日から2021年3月31日まで使用可能で、20日前まで「えきねっと」利用者限定で予約可能となっている。

 こちらは「きっぷ」となっており、JR東日本の指定席券売機で発券することが可能になっている。

 またJR西日本の北陸新幹線でも「e5489」利用者向けに同様のきっぷを提供している。

 列車や席数に制限があるとはいえ、こちらは東海道新幹線よりゆるくなっている。在来線特急にも50%offの設定があるものも。

 これらもある程度先の日程が決まっている場合は、利用してもいいだろう。

なぜ、鉄道会社は大きく割引をすることになったのか?

 ここまで大きく割り引いて輸送サービスを提供することになった背景には、コロナ禍とそれにともなう利用者減というものがある。

「緊急事態宣言」が終了してからも、コロナ禍は終わりを見せる気配がない。その中で近距離の需要は回復しつつあるものの、遠距離の需要は回復する兆しを見せない。

 そういった状況で、少しでも利用者を確保しようとするのが、こういった鉄道会社の取り組みである。

 どうしても「密」になるほど乗客がいるわけではない。それどころか、この夏休みの乗車率も低く、前年に比べて乗車率は大きく減った。そんな中でふだんの鉄道利用を促進させたい、という目論見がある。

 背に腹は代えられない、といったところだろうか。