よっぱらったら何をしてもいいわけじゃない! 鉄道各社局でキャンペーン

ホームドアのないホームでは、酩酊により転落することのないように気をつけたい(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 各鉄道会社は、12月9日から共同で暴力行為防止ポスター「よっぱらったら、何してもいいの?」を駅構内、列車内に掲出し始めた。

 駅係員や乗務員への暴力行為や、乗客同士のケンカなどに対し、鉄道会社が連携して防止を呼びかけるというものだ。暴力行為を減らし、乗客に安心して鉄道を利用してもらうことを目的としている。

子どもっぽい字は何を表しているのか

キャンペーンの列車内中吊り(プレスリリースより)
キャンペーンの列車内中吊り(プレスリリースより)

 この「よっぱらったら、何してもいいの?」という子どもの書いたような字は、純粋に子どもの視点からの疑問形を大きく打ち出すことで、一度立ち止まって考えてもらう狙いだという。また被害を受けた鉄道係員のイラストを描くことにより、暴力行為が人を傷つけるということも訴えている。

 また、掲出期間が飲酒の機会が増える年末年始ということから、飲酒に起因する暴力行為の割合を53%(暴力発生件数は630件)と記載し、酔客による暴力行為禁止を訴えているというものである。

 89社局、駅構内約7,100枚、列車内約68,000枚という大規模なキャンペーンになっている。

 掲載は2020年2月8日まで行われる。

飲酒の多いこの時期に気をつけてほしいこと

 この時期、忘年会や新年会など、飲酒をする機会が多い。終電近くの列車の利用者も多くなり、鉄道会社によっては列車を増発することもある。

 しかし気をつけてほしいのは、いくら列車が増発されていようとも、過度の飲酒で家に帰れなくなったり、暴れたりということをしないということだ。

 とくにこの時期の飲酒は、勤務先の忘年会などで嫌な上司や同僚と酒席をともにするということもあり、ストレスフルな状況の中でお酒を飲み、悪酔いするということが多くある。いらいらしながら飲むお酒というのは、体も心もむしばむものである。

 そんな状況の中で、駅や列車での暴力は生まれる。ツイッターでは「#忘年会スルー」というハッシュタグが生まれ、いかに忘年会に行かないかを考えるということを多くの人がつぶやいているが、現実ではそれは難しいのである。

 だからといって駅や列車での暴力行為は正当化されるものではなく、実際にこのようなポスターができる以上、迷惑である。

 近年駅構内での暴力行為は減少している。監視カメラの設置や、駅構内での警備員や警察官の巡回などで抑止が進み、ことし7月には「人をぶっちゃダメなんだよ。」のキャンペーンポスターが貼られ、この問題は大きく知られるようになった。

 社内の人間関係の問題や、ハラスメントの問題が重視され、その中で飲酒に対する社会的な視線も厳しくなる。そういった流れの中で、今回のキャンペーンは行われるということになる。

のんさんがホーム転落防止を呼びかけ

 JR西日本では、「2019年ホーム転落防止キャンペーン “飲ん”だら気をつけて! @大阪駅」というイベントを開催し、女優ののんさんが登場した。

 同社では夏季や冬季に「ホーム転落防止キャンペーン」を行っており、イメージキャラクターとしてのんさんが起用されている。

 ドア数が異なる車両が相互に乗り入れ、多くの列車が走る京阪神エリアでは、さまざまな可動式ホーム柵が試みられるものの、完全な普及には至らず、いまなお多様なホーム柵を開発している。

 それゆえに、JR西日本ではホーム転落防止は課題となっており、他社にも増して力を入れるということになっている。

 酩酊によりホームから転落することで、人身事故の可能性も高く、その際に鉄道会社が受ける被害も大きい。そういう意味でJR西日本のこのキャンペーンは、危機意識の高いものといえよう。

 この時期は駅での暴力行為や転落事故などが起こりやすい。出なければいけない忘年会ではあっても、過度な飲酒は控えて、安全に家に帰るようにしよう。