3周年をむかえる北海道新幹線 苦境の中にも希望あり

北海道新幹線は東京と札幌を直結してこそ真価を発揮する(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 北海道新幹線は、3月26日で開業3周年をむかえる。1961年に建設が開始され、1988年に開通した青函トンネルは、2016年の北海道新幹線開通で真価を発揮することになった。

 青森と函館の間を単に陸路で結ぶだけではなく、本州と北海道を高速鉄道で結ぶことが、本来の青函トンネルの目的である。そういう意味では、1988年の在来線での開業は「仮開業」で、2016年の新幹線開業をもって「本開業」ということができる。

減少する北海道新幹線の乗客、しかし

 北海道新幹線の乗客は、2018年度は1日あたりおよそ4,700人であり、2016年度の6,200人に比べれば、減っているかもしれない。現在の乗車率は、24%。それほど大きな数字であるとはいえない。

 2017年度には北海道豪雨災害、2018年度には胆振東部地震と、北海道では自然災害が多く起こっており、状況の悪い中でも比較的健闘しているということはいえるだろう。

 また、開業時からしばらくは鉄道ファンによる記念乗車があり、そういった人たちもだんだんと少なくなっているということもある。

 JR北海道は、3月13日に発表した「北海道新幹線開業3年間のあゆみ」という文書の中で、利用者の多かった日を挙げている。

 最高は2016年12月23日だ。この日は札幌圏に大雪が降ったため新千歳空港の航路が多数欠航したという理由で、14,734人の利用があったという。その他に利用があったのは、開業初日の2016年3月26日を除けば、お盆やゴールデンウィークに集中している。

 繁忙期に多くの乗客の利用があるだけではなく、降雪などの悪天候にも強く、雪に強いといわれる新千歳空港でもどうにもならないときにも利用できるということがわかる。

 北海道新幹線は決して乗客の少ない、不必要な新幹線ではなく、いざというときに万全の力を発揮できる新幹線であると言えるだろう。

 その意味では、24%程度の乗車率でふだんは輸送力過剰という状況でも、備えあれば憂いなしというべきだろう。新幹線は固定編成であり、輸送状況に応じて編成を減らしたり増やしたりはできない。もし多くの人が利用することが予測される時期は、臨時列車を走らせるということも可能である。

 そしてこの乗車率は、東京直通列車で利用客の少ない新青森~新函館北斗間の乗客ということを考えると、その数値でもおかしくはないというものだ。新青森などの途中駅から東京に向かうにつれて徐々に乗客が増えるということになっている。

札幌延伸で本来の力を発揮する

 北海道新幹線は、新函館北斗より先、札幌まで開業して全線開通ということであり、まだすべての能力をフルに発揮できているとはいえない。札幌開業は2031年を目標としており、そのときにはより多くの利用者が札幌と東京を新幹線で行き来するようになるだとう。それに伴い、札幌と新函館北斗との区間輸送(あるいは札幌と函館との都市間輸送)は、大幅に時間が短縮するとみられる。

 この春のダイヤ改正では東京から新函館北斗までの所要時間は最短3時間58分となり、「4時間の壁」をついに打ち破った。青函トンネルでの最高速度を、140km/hから160km/hに向上させたからだ。こういった取り組みは、札幌延伸で本来の力を発揮させるのを前に、北海道新幹線の努力を示すものとなっている。新千歳空港は比較的雪に強いものの、新幹線のほうがはるかに雪に強く、除雪・融雪などの対策もしっかりと行っている。JR北海道は除雪装置の整備や車両の床下融雪なども行い、冬季の安定運行のためにも努力した。

 新函館北斗から札幌までは、現在はおよそ3時間20分以上かかる。これが、45分から1時間で結ばれることになる。

 札幌まで延伸された際には、北海道の交通は大きく変わるだろう。

 北海道新幹線は、札幌延伸でこそフルに力を発揮できる。新青森~新函館北斗間の赤字(主に青函トンネルのメンテナンス費用などが原因)が課題とされているが、札幌延伸で状況は好転する。確かにJR北海道の経営は厳しいものの、その中で唯一ポジティブな要素を見出しうるのが、北海道新幹線である。